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読み方から書き方まで、自分だけの読書感想文を書くために大切なこと

読書感想文を書く子供

読書感想文を書けと言われて、すぐに書けたという人はそう多くはいないでしょう。小さな頃は書けていたのに、だんだんと面倒になったり、書けなくなったりすることもあります。けれど、ほんの少し考え方を変えてみるだけで、うんざりどころか、すいすい書けるようになるのです。

 

読書感想文の書き方を考える前に、マインドを変えてモチベーションアップ!

本を読み、感じたことを伝える。どちらも本当はもっと楽しくできることなのです。けれど、読むのも書くのも苦手!嫌だ!という人にとっては、楽しみどころか1ページ目を開くことすら苦痛なものです。そんな時はどうしたら良いのでしょうか?

 

まずは、その苦痛でいっぱいの気持ちを、ほんの少し変えてみることです。急に前向きになれ、好きになれなどとは言いません。読書感想文を書きたくて仕方ないんだ、なんて思う必要もありません。書きたくないならそのままでよいのです。読書感想文を書きたくない、そう思った後に、こう付け加えてみてください。

 

けれど今、読書感想文を書かねばならない!なぜならこれが今の自分の役目だから!

 

ちょっと大げさなくらいに、気持ちの向きを変えてみると、不思議とモチベーションが上がりませんか?というのも、義務を負わされた時、人の心は重く沈みがちになるけれど、役目を与えられた時は逆に高揚するものだからです。目の前にある事柄が、自分にとって辛く、逃げ出したいものであればあるほど、この切り替えは役に立ちます。

 

たとえば、マラソン大会。嫌だ、辛い、と言いながらたらたらと走るよりも、とにかく「今、自分は走らなければならない」と、友達の命を救うためにひたすら走る、「走れメロス」の主人公ような気持ちで走る方が、大抵の場合結果も良くなります。

 

山登りだって、登らされていると思えば単なる重労働でしかありませんが、「今はこの山を登りきることが自分の役目なのだ」と気分を変えると、足取りはだいぶしっかりとしてくるし、辛さも軽くなってきます。

 

そして、心がポジティブに切り替わったら、せっかく切り替わった心を元に戻してしまうような言葉は、できるだけ言わない方が良いでしょう。「どうせ」とか、「嫌だなあ」などという言葉はちょっとだけ封印して、読書感想文に挑んでみようではありませんか。

 

読書感想文は思うより簡単!自分で難しくしないこと

気持ちをポジティブにしたら、次は肩の力を抜いてみましょう。書くのは「読書感想文」です。読書感想文は、本を読んで、思ったことを書けばよいだけです。新しく何かを自分で考えることも、複雑な説明をする必要も一切ありません。

 

もちろん、学年があがるにつれて、書かねばならない枚数も長くなりますが、基本は変わりません。長いからと言って難しいことを書け、というのではありません。勝手に難しく考えてうんざりせず、気楽に構えてよいのです。

 

読書感想文を上手く書いてやるぞ、なんて思う必要もありません。むしろ、それなら書かない方がよいくらいです。スポーツをする時、かっこよくやろう、うまくやろう、としてかえって体が強張ってしまい、失敗した経験はありませんか?勉強はもちろん、読書感想文も同じことです。

 

最初の一文をかっこよく、などと考えてしまったらそれだけで詰まってしまいますし、万が一にもかっこ良い一文が書けたとしても、その後が続かなくなってしまいます。読書感想文なんて、肩の力を抜いて、気負わず、気楽に書けばよいのです。

 

そして、気楽に書けるようになれば、だんだんと書くことを辛いとは思わなくなり、楽しいと思うようになるでしょう。そうすればしめたものです。楽しめれば自然と、どんな風に書こう、どうやって書こう、と自分で考えられるようになり、文章を書く技術もどんどん上達して行くでしょう。

 

苦手なことだと決めてかかってしまうと、本当は「そうでもない」ことすらできなくなってしまいます。とりかかる前から、気弱になってしまわないように、肩の力を抜いてみることも必要です。

 

読書感想文を書くことで身に付く一生役立つスキルがある

学校を出て社会人になると、原稿用紙を字で埋める、などということは余程限られた職業につかない限りは縁遠いものになります。しかし、だからと言って、「何かについて思ったこと、感じたこと、考えたことを他人に伝える」ということと無縁になるわけではありません。

 

最初にそのスキルが必要になるのは、何と言っても就職活動でしょう。エントリーシートで書く志望動機や自己アピールが、第一の関門になります。

 

その会社の何を、どんな風に良いと思ったのか、そして、自分がどれほどその会社で働きたいと思っているかを伝えるのは、心からそう思っていても難しいものです。しかも、漠然とした理由やどこにでもあるような書き方では、採用担当者の目にはとまりません。

 

逆に言えば、会社について、自分について感じたこと、考えたことを他者に伝えることがうまくできれば、この関門を突破する力にもなるということです。

 

ですから、読んだ本について感じたこと、考えたことを伝えるという読書感想文の基本スキルを、学生時代にしっかりと習得しておけば、「読んだ本」を「会社」や「自分」に置き換えてみるという単純な応用で対処できるのです。

 

もちろん、仕事を始めればその中でも、同じようなスキルは求められます。たとえば何かを提案するにしても、そのアイディアのどこが良いのか、何故ここで提案したいのかなどを、他の人や客先に伝えられなければ何も始まりません。

 

この「何かについて思ったこと、感じたこと、考えたことを他人に伝える」というスキルは、意識して繰り返すことで磨かれていきます。休みごとに出されるこの「読書感想文」という宿題は、スキルを磨くチャンスになると思います。特に、読書感想文は嫌だ!面倒!と思ってしまう人ほど、修行のチャンスになるでしょう。

 

評価は気にしない!自分だけの読書感想文を自分の言葉で書く

基本的に、読書感想文は自由なものです。本を読んで思ったことを書くだけで、制約はありません。テストとは違って、絶対的な正解はもちろん、模範解答だって本当はないのです。読書感想文で大切なのは、自分の感じたことを、自分の言葉で書くことだけです。自分の言葉で書いたならば、それが何よりの正解と言えます。

 

ただ、一つだけ気をつけねばならないことがあるとしたら、読書感想文には「読む人」が必ずいることです。読み手がいる以上、書き手は必ず「伝える」「伝えようとする」ことを怠ってはいけません。そしてそれは、自分の伝えたいことだけではなく、読み手が知りたいであろうことについても同じです。

 

読み手と同じ考えである必要は、もちろんありません。むしろ違う方が読み手としては興味をそそられることでしょう。映画やドラマでも、自分の予想とは違う展開をするとつい先が気になってしまうように、読書感想文でも、自分とは違う読み方をしているな、と思えるものの方が面白いと感じられるものです。

 

それから、もしも読んだ本がつまらないと感じた時にも、ちょっと気を付けて欲しいです。自由なのですから、必ずしも褒めなければならないわけではありませんが、だからと言って、「つまらない」と書いただけでは読書感想文とは言えません。つまらない、と感じたとしても、せめてその本が何を伝えようとしていたか、その本を推薦した人の考えに思いを巡らすくらいのことはしたいものです。

 

出会うところからが読書感想文です!選んだ理由も忘れずに

読書感想文を書くのに悩む人の大半は、普段本を読むことに慣れていない人です。普段読まないから、まず本を選ぶところからして苦労することも多いようです。

 

本を選ぶ時、いつもどういう基準で選びますか?課題図書の中で一番読みやすそうだから?表紙がきれいだから?友達が読むから?本の中身には全く関係なさそうですが、実は読書感想文は、そこから始めるとぐっと書きやすくなります。

 

読書感想文の書きやすさだけではありません。本との出会いや、何故その本を選んだのかは、確実にその人だけのエピソードであり、それは読み手にとっても興味深いものです。その本を選んだきっかけが、少々恥ずかしいものだったとしても気にすることはありません。むしろ、その方が読み手の心を動かすかも知れません。

 

課題図書の中で一番薄いから、簡単だと思って選んだけど、違った!友達が読むから一緒に書こうと思って選んだけど、できなかった!など、選んだ理由やその顛末も良いですし、本をどうやって手に入れたかでもよいでしょう。ネットで買った、古本屋で見つけた、本屋で平積みにされていた、家にあった、というもまた立派な出会いのエピソードになります。

 

本との出会いを読書感想文に入れることで、その読書感想文はただの感想文というだけでなく、「本を読んだ書き手」の物語にもなります。読書感想文の読み手は、ただそれだけでも、原稿用紙の向こうに、一生懸命本を探したり選んだりする書き手の生き生きとした姿を想像することができるようになり、読書感想文全体の輝きも増すというものです。

 

自分だったら、という気持ちで読むと、読書感想文は書きやすい

読書嫌いの人が本を読まない、読んでもすぐに退屈してしまう理由の一つは、本の中の物語は、所詮他人事だと思っているからです。だから、何を読んでも心に響いてくることもなく、感想なんて浮かぶはずもありません。そんな時は、本の中の登場人物に、自分を重ね合わせながら読んでみることをお勧めします。

 

主人公に降りかかった災難が、もしも自分の身に起こったら?こんなことを言われたら、自分ならどうするか?そう考えながら読み進めていくと、主人公の行動や言動が自分と重なることもあれば、逆にイライラさせられることもあったりします。共感と反発、その両方を感じられれば、本の中の世界はぐっと近くなり、どんどん読み進められるようになります。

 

時には主人公に自分を重ねるにも、向き不向きというものがあります。あまりにも自分と違いすぎると、想像するだけでくたびれてしまいます。

 

ですから最初は、自分に似ている部分があるとか、何かしら共通点がある主人公の本を選びましょう。同年代であるとか、同じスポーツに熱中しているとか、少しでも近い部分があれば、そうでない場合よりもぐっと重ねやすくなります。

 

主人公と自分を重ね合わせて本を読んでいくことで、本をわくわくしながら読み進められるようになったら、その思いの一つ一つを書き連ねてみましょう。すると、気持ちや思いは断片的なものでも、文字にして書き出してみると、だんだんとまとまっていくのが分かるでしょう。

 

本の中で様々な経験をする主人公に対して感じる「もしも、自分だったら」という思いは、他の誰のものでもない、自分だけのものです。書き連ねた言葉は、紛れもなく自分のものです。あとはそれらを文章としてまとめていけば、自分だけの読書感想文の完成です。

 

頑張れば報われる!だからこそ、やってはいけないことがある

読書感想文は、簡単だ、できる、有意義だ!とは言われても、苦手なことをやりたがる人はそうはいません。けれど、苦手、辛い、嫌だと思ったことほど、やり遂げた時の爽快感は強いものです。元から得意で簡単にできたことよりも、辛いけど頑張ってやり遂げたことは、より深く記憶に残り、たとえ結果が思うように出せなかった場合でも、楽しい思い出として残ります。

 

また、最初は面倒だ、辛い、やりたくない、と思っていたようなことでも、毎日続けているうちに得意分野になってしまうこともあります。面倒だと思うのは、効率的なやり方を体得していないせいであり、やりたくない、と思うのは、結局のところ苦手意識があるからです。

 

だから、繰り返すことで効率的なやり方を身につければ自動的に苦手意識も解消され、いつの間にか楽にできるようになっている、というわけです。

 

とはいえ、やり遂げた後の爽快さも、困難を乗り越える楽しさも、苦手意識の克服も、やってみなければわからないし、得られないものです。だからこそ、読書感想文を書くことがどうにも辛くて、嫌で、もう書きたくない、と思っても絶対にやってはいけないことがあります。

 

それは、「自分で書かずに嘘をつく」ことです。苦労して自分で書かずとも、ネットから他の人の読書感想文をダウンロードしたり、誰かに書いてもらったり、あとがきや解説文、ネットのレビューをつぎはぎしたり、やろうと思えばありとあらゆる手段があるのが現代社会です。

 

けれど、例えばあらすじ一つにしても、自分でまとめたものとコピペしてきたものはまるで違います。あらすじというものは、読んだ人がその話のどこにポイントを置いていたかで、全く変わってしまうものだからです。

 

同じ本でも、読んだ人によってまとめかたは違ってきます。あらすじだけでもそうなのですから、読書感想文に至っては、当然ながらそういった手抜きは確実にバレます。

 

すぐにバレる上に、身につけられるはずのスキルは当然身につかず、逆にすぐに手抜きや嘘をつく悪い癖が身についてしまいます。無駄どころか百害あって一利なしです。

 

そんなことをする手間暇をかけるなら、一行でも二行でも、自分で考えて書いた方がよほどましですし、たとえ一行も書けなくても、それを正直に言ってしまった方がその後の人生のためにも良いはずです。

 

もしも、あとがきやレビューの中に、参考にしたものがあったなら、引用という手段を使えばことは済みます。カギかっこ引用元をつけて引用文という形をとり、参考にしたことと、それをどう思ったが明確にわかるようになっていればよいのです。参考にしたり、引用するのと、こっそり丸写しするのとは、全く別物だということは理解しておいた方がよいでしょう。

 

「やり遂げた」と自分で納得できるところまで頑張れば、結果はともかく自分の中では満足できるのではないでしょうか。まずは、やり遂げた後の爽快感を目指して読書感想文を書いてみましょう。

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