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叱らない子育てをするために必要な考え方とは

叱る親

子どもを叱り続けることに喜びを感じる親などいるでしょうか。もちろんそんな親などいないはずです。それどころか、叱ってばかりいることに疲れ、場合によっては自分を責めてしまい、何とか叱らずに済む方法はないかと思っている方が多いはずです。

 

そんな親御さんたちに、ぜひお伝えしたいことがあります。叱るということのリスクについて、なぜ叱ってしまうのかということ、そして、叱らないための工夫についてです。叱らない子育てについて、ご一緒に考えてみませんか?

 

子どもを叱ることのデメリットとは?

我が子がまだお腹の中にいた時、お父さんやお母さんはどのようにその子の誕生を待ち望んでいたか、思い出してみましょう。きっと「この子が生まれたら、一緒にいろんなところにおでかけしたいな」「少し大きくなったらキャッチボールなんてしてみたいな」など、幸せな楽しい日々を想像していたのではないでしょうか。

 

ところが生まれてみると、そう全てが楽しいわけでもなかったはずです。だから必然的に叱ったり怒鳴ったりすることも多くなり、親子共々疲れてしまうとか、悲しくなってしまうとかいう悩みを抱えている方のいかに多いことか…。

 

親にとってみれば、子どもに対する心配や、成長させたい、悪いところを直してやりたいという思いから叱ってしまうのでしょうけれど、残念なことに叱れば叱るほど、悪い方向へと向かっていってしまうということも、多々あるのです。

 

そもそも「叱る」ということはどういう行為なのかと言えば、大きな声を出したり語気を荒くしたりしながら、人の悪いところを非難するという行為です。そう考えると、普通に過ごしている中で毎日毎日、子どもを「叱る」ことなどしなくてよいはずなのです。

 

ただし、人として絶対にやってはならないことや信用を失ってしまうようなこと、相手の心身を傷つけてしまうことについては、きっぱりとした態度で「叱る」ことも、方法として挙げられます。でも普通に過ごしていて毎日叱っていると、デメリットの方が大きくなってしまいます。そのデメリットと言うのは以下の2つです。

 

①自分自身に対して悪い印象を持ってしまう

しょっちゅう叱られていると、子どもはどうなるのかというと、「こんなに叱られてばかりいるなんて、本当に自分は悪い子だ。ダメな人間だ」そう思いこんでしまうようになるのです。イメージする力というものは強いもので、ずっとそう思い続けているうちに、本当にそのような人間に近づいていってしまうのです。

 

それに、そのように卑屈になってしまった子どもが、難しそうなことに挑戦したり、「きっとできる」と思いながらコツコツと頑張り続けたりするようなことを、どうしてできるでしょうか。「自分はダメだ」と思いながら、朗らかに生きていくことなど、きっと難しいことでしょう。

 

②人を信じることができなくなる

どんな子どもでも、叱られれば嫌な気持ちになります。そしてそれが続くと「次はいつ怒られるだろうか」と強い不安を持つようになります。そのような気持ちが心の中にどんどんたまっていき、だんだんと親を信じられなくなり、親に対して敵対心を持つようになっていくのです。

 

そして、24時間365日、自分を責めてくるのではないかとびくびくしているため、他のどんな人に対しても、信頼することができなくなったり、懐疑心、敵対心を持ったりするようになってきます。誰も信用できなくなったり、誰に対しても攻撃的になったりしてしまうと、相手がやったり言ったりした些細なことで激怒するようになってしまう傾向が高いとされています。

 

叱りたくないのに叱ってしまうのはなぜ?

「叱りすぎることはよくない」と、ほとんどの親はわかっているのです。でもどうして叱ってしまうのか。そこにはいくつか原因が考えられます。

 

①親自身も厳しく叱られながら育ってきた

親が子どもの頃どのように育ってきたかということは、その親が実際に育児をするときに大きな影響を与えることが多いものです。特に、暴力を受けてきたとか、毎日のように激しく叱られていたとか、ひどい言葉を浴びせられてきたとか、そのような育てられ方をしてきた人は、自分が子育てをするときにも、ついそのようにやってしまうことがあるのです。

 

虐待など、特別なケースだと思いがちですが、そこまでには至らないものの、非常に多くの親たちが、子どもの頃に親から受けた仕打ちから解放されないまま、自分の子どもを育てているのが現状です。

 

②親が大きなストレスを抱えている

大人に限らず、ストレスを抱えた人間というのは、より弱きものをターゲットにして攻撃しようとするものです。現代人は、親でなくとも様々なストレスにさらされています。仕事上のストレス、子育て中のストレス、夫婦関係によるストレス、近所づきあいのストレス…。そのようなストレスを抱えた親たちがターゲットとしてしまうのは、一番身近にいて、自分よりも弱い存在である「子ども」であるわけです。

 

③子どもが「できない」環境になっている

子どもを叱る場合というのはどのような時でしょうか。宿題をなかなかやらない、いつも朝寝坊をする、忘れ物ばかりしている、部屋がいつも散らかしっぱなしになっている…などなど、子どもが何かを「できない」時に叱ってしまうものです。

 

でも「できない」原因は、子ども自身にだけあるとは限りません。実は、生活の流れや家の中の構造に原因があることも非常に多いのです。

 

宿題をなかなかやろうとしないのは、帰ってからやることが子どもの中に意識されていないためかもしれません。そうであれば、帰宅後すぐに目につくところに「帰ったらやることリスト」を貼っておけば、自然と流れに沿って宿題をするようになるでしょう。

 

朝寝坊をするのは、寝室のカーテンや雨戸が朝日を完全にシャットアウトしてしまっているからかもしれません。そうであれば、子どもが起きなければならない少し前に、親がカーテンや雨戸を開けて、朝日が入るようにすれば解決する問題かもしれません。

 

このように、子どもが何かできなくて叱ってしまうという時には、「できない」要因が生活の流れや家の構造にあるという場合も非常に多いのです。このことが、ダメだとわかっているけど叱ってしまう原因であるなら、生活の流れや家の構造に工夫をすればよいということになりますね。

 

子どもが自然と「できる」ようになる工夫をすれば叱る回数が減る

何気なく過ごしている家の中、生活の中には、子どもが自分から「できる」ことを妨げているものがたくさんあるものです。そこに気づいて、子どもが自ら「できる」ようになる工夫をすれば、親が叱る回数はぐんと減るはずです。

 

朝は「顔を洗ったの?」「ハンカチとティッシュは持った?」「歯磨きは終わったの?」と一一声をかけないと支度ができないので、イライラしてつい叱ってしまう…と悩んでいる方も多いでしょう。こんな時、子どもは朝自分が何をやるべきかを理解していないのかもしれません。

 

ですから、「朝ごはん→歯磨き→顔洗い→ハンカチとティッシュ→帽子」というように、朝やることを紙に書きだして、目につくところに貼っておくなどという工夫をすれば、いちいち声をかける手間も省けますし、叱ることもなくなるでしょう。時間が意識できていないなら、それをするおおよその時間を示した時計の絵も加えれば、より効果的です。

 

叱らなくても子どもが「できる」ようになる工夫は、他にもたくさんあります。そこに焦点を当てた本も出版されていますし、インターネットで検索することで、参考になる工夫もあるでしょう。ぜひ探してみてください。

 

それだけでなく、自分の家の構造や生活リズムに合わせて、より子どもにとって効果的にアレンジしたり、新たな方法を見つけ出したりしてほしいものです。うまくいかないこともきっとあるでしょう。そんな時は子どもを叱るのではなく、この方法は合わなかったのだと考えて、さらに別の方法を考えてみましょう。

 

やっているうちに、なんだか仮説検証をしているような気分になり、これはダメだったか、ではこうしたら?という思考錯誤の過程が、楽しく思えてくるようになりますから不思議なものです。試行錯誤の末に我が子にぴったり合った方法が見つかれば、その時はもう、小躍りしたくなるほどうれしくなるものです。

 

「できない→叱る」という流れが、「できない→できるようになる工夫→できた!」という流れになり、家庭の中が明るくなるでしょう。親子ともに、幸せに暮らせること間違いなしです。

 

さらにうれしいことに、親がそのように、問題解決のためにいろいろな工夫をしている姿を見た子どもは、自分でもそれをやってみようとするように育つのです。つまり、何か困ったことが起こっても、自分なりにそれを解決する方法を考え、生み出して、克服していくことができるようになるということです。

 

このような力こそ、親として子どもに身につけさせたい力なのではないでしょうか。

 

子どもを一人の人間として尊重すれば叱りすぎを防げる

子どもが失敗したりできないことが多かったりすると、親はついすぐに叱ってしまいます。この「失敗」や「できないこと」は、仕事に例えるならば、仕事上発生した問題や課題と言えます。

 

働いているお父さんやお母さん、ちょっと想像してみてください。仕事をしている時に発生する問題や課題に対して、その対象となっているものや人に対して、ただ大きな声を上げて非難をする、なんていう方法をとるでしょうか?

 

普通の大人であればそんなことはしません。冷静にその問題を分析し、解決するにはどのような方法があるかを考え、実践していくはずです。それが仕事です。ところが、仕事ではそうやって有能に働くことができる方であっても、子育てとなると突然そのような工夫ができなくなり、ただ叱るだけになってしまうことが、非常に多いのです。

 

「この子はこれが苦手だな。できるようになるにはどうしたらよいだろうか。これが原因となっているのではないだろうか。だったらこのような工夫をしてみたらどうだろうか」という思考回路が、なぜか働かなくなってしまうのです。どうして子育てとなった途端に、仕事のように工夫を考えられなくなり、短絡的に「叱る」という方法をとってしまうのでしょう。

 

それは、残念ながら大人の方に、「子どもといえども、我が子は一人の人間である」という意識が足りないからなのではないでしょうか。その証拠に、よその家の子がやっていたら非難しないことでも、同じことを自分の子どもがしたら激しく叱責するということがあるのではないでしょうか。

 

また、仕事で同僚が何か失敗をした時には、態度や言葉でフォローするのに、自分の子どもの失敗には声を荒げて叱ってしまうことも多いですよね。なぜよその子や、自分の子以外の人間に対しては寛容になれるかといえば、相手を一人の人間として尊重しているからでしょう。「こう言ったら相手はどんな気持ちになるか」を想像できているのです。

 

我が子も自分以外の人間です。ぜひ、一人の人間として尊重してあげてください。親子とはいえ、人と人との関係なのです。その関係の中では、相手を大事にする気持ちがなければ、決してうまくやっていけません。

 

自分の子だからと言ってつい思いやりにかける言動を繰り返していては、いつかきっと親子の関係が破たんしてしまうことになるかもしれません。そして一度そうなってしまったらなかなか修復は難しく、どんな人と関係が崩れるよりも、悲しくつらい思いをすることになるでしょう。

 

後で後悔することのないように、我が子を一人の人間として尊重するように、意識しましょう。そうすることで、感情的に叱ることが減り、子どもに直させたいことがあっても冷静に対処方法を考えることができるようになると思います。

 

親子の信頼関係があればしつけはしやすくなる

「挨拶をきちんとさせなければ」「手洗いうがいをさせなければ」「交通ルールをきちんと守らせなければ」…子どもにはいろいろとしつけなければならないことがあります。でもその前にちょっと振り返ってみてください。親子の間に信頼関係はきちんと築けていますか?しつけはそこが大前提となります。信頼関係が揺らいでいれば、しつけはうまくいきません。

 

信頼関係は、「僕は大事にされているな」「お父さんお母さんは僕の気持ちを理解してくれるな」と子どもが感じることから生まれます。そこが出発地点であり、それと同時に目的地でもあるのです。

 

子どもが親を信頼していれば、親が「こうしなければならないよ」ということに対してそれほど反発はしないでしょう。「知っている人に会ったら挨拶をしようね」「学校帰りに寄り道をしないでね」などという親の言葉に素直に従うはずです。性格や時期によっては反発したくなることはあっても、「そうしなければいけないな」とは思っているはずです。

 

「お父さんとお母さんは、僕が危険な目に遭ったり、他の人に嫌われたりしたらと思うと心配なんだ。悪い人間になったら悲しむんだ。だからこう言うんだ。大事なお父さんとお母さんを絶対に心配させたり悲しませたりしないぞ」という気持ちが働き、悪い誘いや危険な行為から離れることができるのです。

 

逆に、叱られてばかりいる子どもは、なかなか親の愛情を信じることができず、「お父さんもお母さんも僕の事なんてどうでもいいんだ」と思うようになっていってしまいます。表立ってそういう言葉を口にしなくても、心の深層部分ではそう感じてしまっているのです。

 

そうなると、親が「○○しなさい」ということに対して、素直に言うことを聞けません。親が心配心から言っていることであっても、そのことが分からないため、親の言葉には従わなくなるのです。場合によっては親がするなということをわざわざすることもあるでしょう。

 

何より大切なことが、親子の信頼関係なのです。そこがしっかりしていないと、しつけが困難になります。どんな工夫をしてみても、子どもは親の言う通りには動かないでしょう。

 

いい親子関係がなければ子育てのどんな工夫も意味をなさない

子育てに関するいろいろな工夫は、様々な本やインターネットでの情報などからたくさん探すことができます。子どもが自分から勉強するようになる工夫、早寝早起きができるようになる工夫、忘れ物をしなくなる工夫…。それらの中から自分の子にぴったり合うものを見つけて、生活に取り入れている方も多いでしょう。

 

しかし、気をつけてほしいことがあります。いくら「効果抜群!」と言われている方法であっても、なかなかうまくいかないことがあるのです。それはどういう場合なのかというと、親子の関係がうまくいっていない場合です。

 

親が子どもの気持ちを理解しようとしていないとか、自分の感情に任せて怒鳴りつけるとかいうことがあり、それがもとで子どもとの信頼関係が築けていないと、どんな素晴らしい方法も効果を発揮することができないのです。

 

親を信頼しているからこそ、親が指示することや提示する方法に対して、納得したり従ったりすることができるのです。親に不信感があれば、親のいうことなどきかなくなります。だから、どんな方法をとってみてもうまくいかないというわけなのです。親子の信頼関係は、全ての事の基盤となるものです。それがしっかりとしていなければ、ただ子育てに関するいろいろな工夫を知っているというだけになります。

 

別に子育てにだけいえることではありません。いろいろなやり方を知っているけれど、結局自分はそれで成功していない人というのは、大人の中には結構いるものですよね。なぜ成功していないのかといえば、それ以前に根本的なところがなっていないからということが多いのです。

 

子育てに関しても、意外にその根本的なことを理解できずに、方法だけを模索し、手当たり次第にやっては失敗している人が結構多いものです。最も大切で重要なことは親子の信頼関係であり、それなくしてはどんな方法も効果がないということをお忘れなく…。

 

「叱らない子育て」をするうえで念頭においておきたいこと

子どもを叱らずしてしつけをしたり、できないことをできるようにしたりするには、子どもが自然とできるようになるような仕組み作りがとても大切です。

 

例えば、ゲームに関する約束を守るためには、その約束を書き出していつでも見える場所に貼っておき、毎日その約束が守れたかどうかを、振り返りシートでチェックする。忘れ物をしないようにするためには、学校に持っていく可能性のある物を、部屋の一カ所にまとめて収納しておき、うっかり忘れをしないようにする、等々。

 

このように、子どもの生活の流れや家・部屋の構造を工夫するだけで、しつけはぐっと楽になり、子どもが一人でできることも確実に増えます。

 

しかしその一方で、忘れずにいてほしいことがあります。それは、どんなに工夫を凝らしても、うまくいかないこともあるし、少しは改善しても完全にできるようにはならないこともあるということです。

 

例えば、帰宅後の手洗いうがいは完全に身に付いたけれど、学校では外遊びの後やきゅうしょくの前などにどうも手洗いを怠っているようだ、ということはよくあることなのです。親が考えた工夫が功を奏して身に付いたように見えても、場所が変わるとできていない、つまり、本質的には何も変わっていないということも、決して珍しいことではありません。

 

なぜなのかといえば、もともと工夫をしなければできないこと、身に付かないことというのは、その人にとっては不得意分野であるからです。不得意なことはおいそれとは克服できないものではないでしょうか?大人でも身に覚えがあることですよね。

 

大人なら特に、自分の不得意なことや嫌いな部分がよく分かっているだけに、頑張っても頑張っても、不得意なことが得意にならず、嫌いな部分が直らないということなど、嫌というほど体験していることではないでしょうか。

 

実は大人になってからの方が苦手を克服しやすい!?

「子どものうちに身につけさせなければ、悪いところを直させなければ」と必死になる親心も分かりますが、そんなに「子どものうちに」と頑張らなくてもよいのです。おそらく、大人になってからでは新しいことは身に付きにくい、悪いところは治しにくいと考えているからでしょうけれど、そんなことはないのです。

 

そもそも、欠点を克服するには、子どもにはまだ備わっていないような要因がいくつか必要です。それは、自分のこんなところが嫌だから直したいと強く思う気持ちと、絶対に直してみせるという強い意志、そして、嫌なところを直すための方法を考え実行する力です。これらはどれも、子どもよりも大人の方に備わっていることが多いでしょう。

 

ということは、欠点克服は、子どもよりも大人になってからチャレンジしたほうがうまくいくと考えられるわけです。子どもの頃は野菜が大嫌いでどうやっても好きになれなかったのに、大人になって一人暮らしをするようになってから、野菜の必要性を感じるようになり、今では何でも食べられるようになったという話はよく聞きますが、まさに大人になったら克服できたという話の代表的なものでしょう。

 

つまり、子どものうちにいろいろと手を尽くしても欠点が直らないことなど、むしろ当然のことだということなのです。だから、どうしてもだめな時は「やれることはやった、大人になったら直るかもしれない」と未来に結果をゆだねてみるのも一手です。

 

子どもの「できない」ことを大目に見る姿勢も大事

子どもが何か「できない」時、子どもの欠点が気になるとき、親はどうするでしょう。叱る、というのは簡単な方法ですが、叱ることを続けていては親子共々疲れてしまいますし、信頼関係にもひびが入ってしまいます。

 

それよりは、なぜできないのかという原因に着目して、自然と「できる」よう環境を整えてあげることをおすすめします。例えば、部屋をいつも散らかしっぱなしの子どもは、何をどう片付けてよいのかわからないのかもしれません。それが原因であるなら、「おもちゃ」「勉強道具」「ぬいぐるみ」などと書いた紙を、収納場所に貼ってやれば、子どもでも簡単に片付けられるようになります。

 

このように、しつけをしたり、欠点を直させようとしたりするときには、親の側でいろいろな工夫をすることが大切です。でも、いろいろやったうえで、それでも直らない、身に付かないということは、当然あることです。子どもには、欠点の克服自体が、大人よりも難しいことだからです。

 

ですから親御さんたちにはぜひ、「大目に見る」という力もつけてほしいものです。必要な工夫はしなければなりません。それでもダメなとき、「どうしてできないのだろう」と悩んだり、気にしすぎたり、子どもを責めたりするのではなく、親が手伝ってやったり、あえて目をつむったりする姿勢が大事なのです。完璧を目指す必要はありません。

 

必要な工夫すら忙しくてできないという時にも、子どもを手伝うとか大目に見るとかすればよいのです。このような場合は特に、子どもだけを責めることはできません。親も親なりの努力ができないわけですから。親が必要な工夫をする努力をしないでいて、子どもの事ばかり叱りつけるよりはよほどいいと言えるでしょう。

 

親が何も努力していないのに、子どもを責めてばかりいるとどうなるか。子どもは親に対する不満が日に日に募っていきます。親に対する信頼感は失われていきます。しまいには、修復できないほど、親子関係が崩れていってしまうのです。

 

子育ての最中には、「完璧にできなくてもよい」という気持ちや「大目に見る」という姿勢が案外大事です。それができるということは、親として素晴らしいことです。完璧を手離した時、親子共々気持ちが軽くなるということは結構あることです。

 

子どもの欠点や「できない」部分を時には許し、いいところも悪いところもすべて含めた我が子そのものを、愛してあげてください。悪いところがあってもいいんだ、このままの私でも大事にしてもらえるんだと子どもが実感することが、親子の信頼関係を作るうえで必要不可欠なことです。

 

あまりにも子どもの欠点や「できない」ことを責め続けてばかりいると、子どもは深く傷つき、自分に自信が持てなくなるばかりか、親子関係にもひびが入ってしまうのです。

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