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欧米化した食生活を見直そう!

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欧米化した食事

私たちの多くが、「良い食事」と考えるものは、戦後の日本に教えられた栄養教育が基本になっています。みんながそれを素直に受け入れ、頑張って続けてきた結果、日本人の栄養状態は良くなりましたが、忘れてはならないものを置いてきたようにも感じられます。それはどのようなことだと思いますか?

 

今の栄養教育は子どもにとって自然なことか?

私たちは、学校の家庭科や、保健所からの指導、テレビやインターネットなどの情報から、食生活において大切なことを学んでいます。たいていは、「主食はとりすぎないように」「いろいろな食品を幅広く、バランスよく摂る」「塩分は控えめに」「野菜はたっぷりと」「カルシウムを摂るために牛乳や乳製品を積極的に摂る」etc. といったことが重要視されています。

 

たんぱく質やカルシウム、各種ビタミンやミネラルが不足しがちだから。伝統的な和食は塩分量が多く心配だから。これらの理由から、このように栄養について教育されてきたのでしょう。

 

しかし、これは本当に子どもにとって自然なことなのでしょうか。子どもは、エネルギーを補給するために食事をとっています。だから、最もエネルギー源になるご飯を軽んじて、低カロリーの野菜をたっぷりとらされるのは、子どもにとって不自然なことなのではないでしょうか。

 

欧米へのあこがれがいまだに強い日本

戦後、日本人の栄養状態を改善するために、栄養教育が広がりました。昔の日本人にとって、欧米人はどれだけ大きく、強そうに見えたことでしょう。その頃の日本人は、欧米に対する羨望があったはずです。ですから、貧弱な体ではなく、大きな体になろうということで、欧米のような食生活を取り入れるようになったのです。

 

これは、食生活にだけ言えることではありません。欧米から伝わる学問、例えば英語や数学、理科などの成績が優秀だと、すなわち頭が良いとみなされたりしませんか?文系よりも理系の方が知的なイメージを持ったりしませんか?

 

また、「美しい人」といえば、目がぱっちりと大きくてすらりと手足が長く、鼻が高い人、というように連想する人が多いのではないでしょうか。これもよくよく考えてみれば、日本人らしい顔つきではないはずです。ヒップホップをかっこいいと思って習う人より、日本舞踊を習う人の方が少ないですし、日本人が好きな歌として演歌や民謡がトップに上がることもありません。

 

日本は、鎖国の時代が終わって西洋文化が入るようになってからずっと、欧米に対するあこがれの気持ちを持ち続けているのです。しかしこれは日本的なものよりも欧米的なものの方が素晴らしい、と言っているようなものです。それは極端かもしれませんが、何となくそう感じてしまう傾向はあるのではないでしょうか。

 

欧米へのあこがれを抱き、それに近づこうと努力してきた結果、今の日本があります。日本人の体格という点で見れば、欧米の人に引けを取らないくらいに大きくなってきています。しかし、中身はどうかと考えると、子どもたちの体は本当に健康になっているのでしょうか。見た目だけでなく、中身の方を考えていかなければならない時が来ているのではないでしょうか。

 

欧米の食生活が良いと考えてしまった日本人

欧米人や欧米の文化がとても素晴らしく、強いものに思えた戦後の日本人は、食生活も欧米風なものが良いと考えるようになりました。

 

欧米風な食事とはどんなものか。それは、主食のパンは少しにして、メインやサブのおかずをたくさん食べる食事です。贅沢なように思えますね。しかし贅沢だからそうしているのではありません。主食を少ししか食べない理由は、ヨーロッパの多くの国では、炭水化物を豊富に含む食物があまりとれないからです。乾燥しがちで、日本よりも寒い国が多いヨーロッパでは、穀物やいも類、豆類などは育ちにくいのです。

 

そんな地に住む彼らは、植物のかわりに動物を食べて生きてきました。植物が大きく育たないということは、若くやわらかいままの植物ばかりが生えているということですから、それは豚や牛といった家畜のえさにぴったりだったのです。

 

ただし、ヨーロッパにはたくさんの国があり、それぞれ土地の状態や気候は少しずつ違います。だから同じ動物を食べる食文化であっても、国や地域ごとに特色があります。例をあげれば、スイスの山々ではヤギや羊を飼い、それらのミルクを長くもたせるために、チーズを作る技術が発達しました。

 

また、南ヨーロッパは温暖な気候ですから、野菜も育ちます。したがって野菜をたくさん使った料理が生まれましたし、イタリアなど海が近くにある国では魚介類を使った料理が作られました。このようにして、自分たちが住む土地でとれる食べ物を使い、その土地に合った食文化が出来上がっていったのです。

 

一方、日本はどうかと言うと、雨がよく降り温かいですから、穀物をはじめとして野菜がよく育ちます。季節の違いがはっきりしているので、一年を通して様々な食べ物が手に入ります。また、海からは魚介類が、山からは木の実や山菜、きのこ類などがたくさんとれます。そのうえ川もありますから淡水魚も手に入れることができるのです。これほど自然の恵みにあふれた国は、世界中でも珍しいと言っていいでしょう。

 

だから日本では、ご飯という主食をきちんと食べ、季節の野菜や魚を食べるという食文化が出来上がったのです。主食になる植物がたくさんとれなかったヨーロッパの国々が、パンは少しにしておかずになる食べ物をしっかり食べるようになったのと同じです。

 

欧米の考え方から昔の日本の食生活を調べれば、確かにたんぱく質やカルシウムが少ないということになるでしょう。しかし、日本とヨーロッパとでは地形や自然、気候など様々な違いがあるのですから、もともと比べることができないはずです。たんぱく質やカルシウムが足りないのも事実だったかもしれませんが、それは欧米人と比べたら少ないということであり、日本人としては足りていたのです。

 

日本で豊富にとれるものを使って食事をする。それがとても自然なことなのに、欧米風の食生活が良いものととらえてしまったために、私たちの食生活は次第に変わっていってしまったのです。

 

食生活の欧米化により日本人はどうなったか

戦後、日本の食生活が見直され、欧米風の栄養教育が用いられるようになりました。そして欧米風の食生活が一般化するまでに40年ほどしかかからなかったのです。こんなにも速いスピードで食生活が変化したのは、そしてこんなにもがらりと変わってしまったのは、日本の他にないと言ってもいいくらいです。

 

単に洋風な食事が増えたというだけではありません。私たち日本人とその生活は、もっといろいろな面が変化したのです。具体的にいくつか見ていきましょう。

 

国産小麦粉の自給率が下がった

食の欧米化に伴って、肉類や牛乳が普及しましたが、小麦粉が大量に輸入されるようになったということも、大きな変化の一つです。日本食にはうどんやそうめんなどがあるのですから、もともと国内産の小麦粉は存在していました。しかし、安価であるという理由から輸入小麦粉の方がたくさん流通するようになり、国産小麦粉の自給率がガクンと落ちてしまったのです。

 

国産小麦粉の自給率は、いったいどのくらいだと思いますか?驚くなかれ、たった1割強です。これは大きな変化だと言わざるを得ません。

 

油脂類と砂糖の消費量が増えた

国産小麦粉と輸入小麦粉の大きな違いは、国産のものは水と相性がよく、輸入ものは油と相性が良いという点です。食の欧米化によって日本人がたくさん食べるようになったパンやパスタ、ピザ、そしてクッキーやケーキなどの洋菓子、スナック菓子…これらはみな油を必要としますから、輸入小麦粉で作られます。輸入小麦粉がたくさん使われるようになったということは、油脂類の消費量も増えたということになるのです。

 

また、パン類や菓子類は砂糖もたくさん使われますから、砂糖の消費量も格段にアップしたのです。ここも、大きく変化した点だと言えるでしょう。

 

安全性に対する不安が生まれた

輸入ものの小麦粉は、国産小麦粉に比べて非常にたくさんの農薬が使われています。育てている間の農薬だけでなく、ポストハーベストの問題もあります。日本に渡ってくるまでの間に使われる、腐敗防止のための農薬のことです。こんなにもたくさんの農薬が使われているというのは、やはり不安なことです。

 

それに、パンやパスタなど洋風な食べ物が人気になったことで、家での食事にもこれらの食べ物が食べられるようになりました。これらはたいてい加工品です。そうなると、食品添加物が使われることも多く、不安材料になります。

 

それに、欧米風な料理は油をたくさん使いますから、食べ終わった後のお皿を洗うには強い洗浄力を持つ合成洗剤が必要になり、ほとんどの家庭で大量に使われるようになりました。こうして、食べ物に対する不安、環境汚染に対する不安などが生まれるようになったと考えられます。

 

このように、食の欧米化に伴って、日本人の生活は大きく変化してきました。よく、昔に比べて今は、恵まれた食生活だなどと言われますが、本当にそうなのでしょうか?日本人にとって本当にこの食生活が良いのであれば、今の子どもたちの健康状態はすこぶる良くなっているはずです。

 

しかし、実はそうでもないのです。最近、アレルギー症状に苦しむ子どもがとても増えてきています。文部科学省の調査によれば、平成25年8月現在で、何らかの食物アレルギーを持つ子どもは、小学校では4.5%、中学校では4.8%、高校では4.0%存在しているそうです。一クラスに1人か2人いるという計算になります。

 

また、2014年に行われた別の調査によれば、我が子が花粉症だと思う親は全体の32.7%にも及んでいました。およそ3人に1人という高い割合で、花粉症を患っている子どもがいるということになります。

 

こう考えてみると、子どもたちが健康的な体になったとは言えないのではないでしょうか。終戦直後の子どもたちよりは、確かに体格はよくなりました。しかし見た目がよくなっても中身の方はどうかと言うと、はなはだ疑問が残るのです。

 

「それでも、日本は世界で一番寿命の長い国だと言われているではないか」という意見もあるでしょう。しかし、今現在長寿だと言われている方々は、戦後の栄養教育をもろに受けて育ってきた方ではありません。むしろ、昔ながらの食事で育ってきた人たちです。ですから、日本を長寿国にしたのは戦後の栄養教育だとは言えないと考えられます。

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