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中学受験で気になる塾・学校選び、お金

中学受験の合格を目指す小学生

中学受験をするには、塾はどこに行かせたらいいのか、学校はどうやって選べばいいのか、お金はいくらかかるのか、疑問は尽きないでしょう。ここでは、気になる塾・学校選びのポイントやお金について、詳しく見ていきましょう。

 

中学受験における塾選び、使い方のポイント

中学受験と塾は、切っても切り離すことができません。塾に蓄積されたデータや指導方法は、子供の力を引き出し、大きく伸ばします。塾なしに中学受験をしようと考えることは、もはや無謀と言えるでしょう。

 

合格実績を掲げる進学塾や、丁寧さを売りにする個人塾など、選択肢は多様です。その中からどのように塾を選べばよいのでしょうか。

 

中学受験成功へ、我が子に合った塾を探す

塾を選ぶときの一番のポイントは、「我が子に合っているかどうか」です。合格実績を大々的に掲げる進学塾もありますが、その多くは優秀な生徒の囲い込みや、志望校誘導の結果であることがほとんどです。ある程度の実績があり、データやノウハウが蓄積されている塾であれば、どこも構いません。

 

ポイントは我が子に合っているかどうかです。つまり、我が子の性格と塾の雰囲気が合うかどうかを見極める必要があります。例えば、元気で友達とワイワイ騒ぐのが好きな子供が、個別指導の先生と1対1の塾に通うのは、子供にとって楽しいこととは言えないでしょう。

 

元気な子供は、元気な雰囲気の大人数で授業をするような塾に、1人でおとなしくしている方が好きな子供は、個別指導の静かな雰囲気の塾に通う方が、無理がありません。勉強をする子供本人が気に入って、嫌がらずに通える塾を探すことが大切です。

 

学習塾においても、二極化現象が起きており、人気の塾は更に人気に、そうでない塾は更に人気がなくっています。その結果、人気のある塾は合格実績をさらに伸ばし、優秀な子供の獲得に成功しています。人気や合格実績だけに惑わされず、我が子に合った「穴場の塾」を探してほしいと思います。

 

中学受験成功へ、塾の先生と信頼関係を築く

中学受験成功への鍵は、どこの塾に行くかよりも、頼れる先生と出会えるかです。信頼できる先生を見つけて、些細なことでも相談し、我が子をしっかり見てもらうことです。

 

子供の成績が伸び悩むと、すぐに転塾を考える親がいます。子供が嫌がっているのなら別ですが、そうでなければ、まずは塾の先生に相談することです。成績が伸び悩んでいる子供は、目の前の勉強で精一杯になっています。その状況で塾を変えるということは、子供に更なる負担を強いることになります。

 

例えば、塾の宿題が多すぎて消化不良になっているようなら、塾の先生に優先すべきところはどこか相談すべきでしょう。成績が伸びないことを塾のせいにしてはいけません。塾の先生と一緒に考え、解決策を探る方が近道となるはずです。

 

親が塾通いにおいてできることは、先生との信頼関係を築き、些細なことも相談できる関係を作ることです。塾に通うのも、勉強をするのも子供本人ですが、親のサポートは欠かせません。おいしい塾弁を作り、温かく子供を送り出してあげたいものです。

 

塾に振り回されず、上手に使いこなす

塾は、勉強のペース、量や質を示し、授業で生徒に刺激とやる気を与えます。あくまでも、勉強は子供本人が主体で、塾はそのサポート役です。塾に通うときに決して忘れてはいけないのは、「塾に振り回されないこと」です。逆に、上手に使いこなそうと思っているくらいがちょうどいいのです。塾を使いこなした例を見てみましょう。

 

小学5年生のA君は、中学受験を見据えて塾に通っていました。しかし、ある日、「塾に行きたくない」と言い始めました。母親が話を聞いてみると、塾の雰囲気が合わなかったようでした。嫌がる子供を塾に連れて行くわけに行かないけれど、中学受験は諦めたくないと考え、母親はある決断をしました。

 

それは、通塾をやめることでした。塾が提供するサービスのうち、塾に通うことだけを辞めたのです。テキストや宿題、相談などのその他のサービスは受け続けるために、月謝は払い続けました。毎週、塾の先生に電話し、テキストのポイントはどこか、問題集はどこまで進めればいいかなどを相談し、A君は見事、志望校に合格しました。

 

また、B君の母親は、志望校選びに悩み、何度も何度も塾の先生に相談しました。入試問題の傾向との相性を見てもらったり、A中学に合格したらB中学を、ダメだったらC中学を受験しようなどと、臨機応変なアドバイスをもらったりしました。

 

このように、塾を上手に使いこなせれば、言うことはありません。塾を使いこなすということは、我が子の様子をよく観察し、塾の先生に相談することです。我が子に合った塾の使い方を模索してほしいと思います。

 

中学受験校を選ぶ際の目のつけ所

中学受験で学校を選ぶとき、何をポイントにすればよいのでしょうか。パンフレットを眺めると、「自由」「自主・自律」「国際教育」「論理的思想」「生きる力」など、どこも同じような文言が並びます。どこも建学の精神は素晴らしいし、進学実績も充実しているところが多い。そうなると何をポイントに選べばいいのか、迷ってしまいます。

 

「何をやらないか」を明示している学校

学校の特徴は、何をやるかよりも何をやらないかに表れます。学校では、かけられる時間もマンパワーも限られています。それらをどう分配し、重点的に使うかが学校の腕の見せどころです。

 

「あれもやる、これもやる」と宣言することは、どの学校でも可能です。しかし、「ここには力を入れる。これはできない」と堂々と言うことは、難しいことです。できないとはっきり言えるということは、熟考の上、具体的に学校経営をしていることの表れだと言えます。

 

生徒を主語に話す学校は信頼できる

学校説明会のとき、何を主語に話すかをよく聞いてほしいと思います。「我が校は…」と学校を主語に話す学校よりも、「我が生徒は…」と生徒を主語に話す学校の方が信頼できます。学校を主語に話すところは、指導方針や考えが学校側を向いています。何かを決定するときに、学校としてどうかを軸に考える傾向にあります。

 

一方、生徒を主語に話をするところは、生徒はどうかと生徒主体に物事を考える傾向にあります。日頃から生徒をよく見ているから、生徒の良いところや頑張っているところ、活躍の様子が目につくのです。親バカならぬ教師バカと言えるかもしれませんが、それこそが生徒への愛情の現れです。

 

話す先生の口癖という一面で捉えられるかもしれません。しかし、口癖にこそ普段の様子が現れるとも言えません。1つのポイントとして頭に入れておくといいでしょう。

 

学校説明会では教師を見る

学校説明会は、学校の様子をライブで見ることのできる絶好の機会です。パンフレットや資料をもらうことあるでしょうが、それらは家でじっくり見るとして、ライブでしか見られないものや感じられないものに集中しましょう。

 

授業見学や体験を実施している学校も多くありますが、見られることを前提として行われています。生徒も教師も、素の姿を見せているわけではありません。あくまでも参考程度と捉えた方が良いでしょう。

 

学校説明会全体が作られたものであるのは、間違いありません。しかし、どう準備しても普段の雰囲気が出るのも事実です。歴史ある私立中高一貫校では、学校の隅々まで伝統が息づいています。生徒や教員、学舎の隅々までです。

 

そこで注目するのが、学校説明会で前に立つ教師の表情や話し方です。我が子とその先生が楽しそうに語り合う姿が想像できるかがポイントです。この先生とならと思えれば、我が子にとって良い学校だと言えるでしょう。

 

パワーポイントを使って鮮やかなプレゼンをする先生も素敵ですが、自分の言葉で朴訥と語る先生も魅力的です。しかし、コミュニケーション能力が大切と言いながら、手元の資料ばかりを見ていたり、論理的思考を重視していると言いながら、的をえない話をしたりしては信頼できません。

 

学校の教師全員が前に立つわけではありませんが、学校説明会という場に出る教師は、学校の代表と言えます。普段の雰囲気を表す1つのポイントとして見てよいでしょう。

 

校長の雰囲気をよく観察する

学校説明会では、校長の雰囲気を観察することで、学校の雰囲気も感じることができます。「校長と生徒は不思議なほどよく似る」と言われます。性格も顔も違いますが、雰囲気がよく似るというのです。

 

例えば、校長が威圧的で教員達が萎縮しているようであれば、教師も知らず知らずのうちに、威圧的な態度で生徒に接しています。生徒は萎縮し、伸び伸びと学校生活を送っているとは言えないでしょう。それだけでなく、上級生が下級生に威圧的に接していることも考えられます。

 

逆に、校長がおおらかで教員達がリラックスしいるようなら、生徒達もリラックスしているでしょう。リラックスしているだけなら悪くはありませんが、あまりにリラックスしすぎているようなら、メリハリのないだらけた雰囲気になっているかもしれません。

 

校長は、伝統ある私立中高一貫校において、建学の精神を体現する存在です。校長の雰囲気が教員に染み込み、教員の雰囲気が生徒に染み込み、学校全体の雰囲気を作り上げています。学校説明会では、校長の雰囲気がどうかを見ることもポイントの1つです。

 

人事担当者は高校名も見ている

大学は、選ばなければどこかに入れる、全入時代に突入しました。推薦入試やAO入試など、入試形態は多様化し、大学は生徒の獲得に躍起になっています。GMARCH(学習院、明治、青学、立教、中央、法政)レベルの大学だけでなく、早慶までも、附属中高を再編し、生徒の囲い込みを行っています。

 

企業の採用担当者は、「よい学生と出会えるチャンスが減った」「大学名だけでは、学力や人間力に差がありすぎて、見極めが難しくなった」と言います。ある企業では、優秀な新入社員の出身高校を調べたところ、同じ高校だったということあったそうです。

 

人事担当者の中には、中高の学歴も重視している人もいます。やりすぎると学歴差別になりかねませんが、面接で「○○高校の卒業生らしい」という印象を与えることができれば、プラスに働くこともありえます。

 

人事の世界では「N-T」「K-T」という略語が使われているそうです。「N-T」は「灘‐東大」、「K-T」は「開成‐東大」を表し、同じ東大出身者でも出身高校によって違うことから、このような呼ばれ方をするようになったと言います。

 

学力は最終学歴を、人間力は高校名を見れば分かると、人事の世界では言われます。私学の個性的な教育が、卒業生の人間力に影響を与えるのでしょう。思春期という多感な時期を過ごす中高は、人間形成において多大な影響を及ぼすのです。

 

中学受験で塾、入学後にかかるお金

中学受験には、結局いくらお金がかかるのか、入学後に私学に通わせるためにはどれくらいの貯えが必要なのか、現実的に気になるところだと思います。塾のために、いつどれくらいかかるのか、入学後にはどれくらいかかるのかを見ていきましょう。

 

小4から小6までの塾にかかるお金

中学受験をする子供達は、一般的に小学4年生から塾に通い始めます。小学4年生から6年生までの3年間、塾に通わせるためには、どれくらいの資金が必要なのでしょうか。

 

文部科学省が2年毎に発表している「子供の学習費調査」によると、平成26年度の小学生の年間の学習塾費は次の通りです。公立小学校に通う子供達の平均は、小学4年生で53,074円、5年生67,035円、6年生で109,568円。私立小学校に通う子供達の平均は、小学4年生で平均231,102円、5年生で311,784円、6年生で392,624円でした。

 

公立小学校に通う子供達の小学4年生から6年生まで3年間の学習塾費に合計は、平均229,677円、私立の子供達の場合は、平均935,510円となります。この調査は、中学受験をするか否かに関わらず、抽出された子供達を対象に行われているため、中学受験をする子供達だけを対象にすると、もう少し高くなることが予想されます。

 

また、弱点補強の特別講座や模試、合宿など、塾のオプションにどれだけのお金を使うかも悩みどころです。可能なら全て受けさせたいところですが、時間もお金も限られています。どれもこれもと参加していては、子供の体力も持ちません。

 

限られたお金と時間を最大限、有効に使うためには、優先順位をつけることが必要です。自分たちだけでの判断は難しいでしょうから、塾の先生に相談することになります。その際に、「夏休みに塾に支払えるのは、○万円まで」という風に上限を宣言すると、その範囲でベストチョイスを示してもらえるでしょう。

 

入学後、私立中高一貫校で必要なお金

中学受験は合格して終わりではありません。合格後、入学金や制服代、授業料など、通わせ続けるには多額の費用が必要です。初年度は、揃えるものも多いため、特にお金がかかります。

 

東京都「平成29年度都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学の初年度納付金の平均は、約95万円となっています。内訳を見てみると、授業料が約47万円、入学金が約25万円、施設費が約4万円、その他(寄付金、学校債など)が約18万円です。6年間で約400万円が、かかる計算になります。

 

その他に、通学のための定期券代や修学旅行代、部活動の活動費がかかります。これらは公立に通った場合でもかかりますが、私立の方がより高めに設定されています。

 

塾の費用、中高の費用を合わせると、私立中高一貫校に通わせるには、公立よりも750万円から1000万円は多くかかります。東京都内で、子供を私立に通わせるなら、年収800万円以上は必要とも言われています。

 

公立中高一貫校なら学費は一般の公立並に

私立中高一貫校には、伝統や歴史、建学の精神など、公立にはない魅力があります。しかし、授業料や入学金、その他の費用を公立と比較すると、大きな差があります。中学受験をする際には、本当に6年間通わせられるのかという点を慎重に考える必要があります。

 

公立の中高一貫校なら、学費は一般の公立中学校、高校に通った場合とほとんど変わりません。中等部の間は、義務教育のため、授業料は無料です。高等部に上がってからも、授業料無償化のため、授業料は実質無料です。

 

公立中高一貫校を目指す場合も、中学受験のために塾に通うことは必要ですが、私立コースよりも安めに設定されています。ただし、気を付けなければならないのは、チャンスは1回きりだということです。

 

私立の場合は、入試日程が複数設定されているため、偏差値に幅のある複数校を受験することが可能です。4から5校を併願校として受験し、全滅のリスクを減らすことができます。しかし、公立中高一貫校の場合は、併願ができません。

 

そのため、近年では、公立中高一貫校の適性検査に似せた入試を行う私学も出てきています。公立中高一貫校志望で受験勉強を始めたものの、全滅のリスクを避けるために、結果的には、私立も受けることになった家庭もあります。

 

特待生枠を設けている私学もある

学費を抑えて私学に行く方法として、特待生枠を狙うという方法があります。特待生枠を設けた入学試験は、年間約150回行われています。学校側としては、無料でもいいから優秀な学生を取りたいという思惑があります。

 

優秀な生徒が難関大学に合格してくれれば、学校の実績になります。また、定員を割っている学校では、生徒が一定数いれば、私立補助金が出るという事情もあります。学校側も少子化で子供が減る中、あの手この手で生徒を獲得しようとしています。

 

特待生と言っても、学校によって仕組みは様々です。6年間無条件で授業料がゼロになる学校もあれば、成績次第で打ち切られる学校もあります。パンフレットやホームページで調べたり、学校説明会で話を聞いたりすると良いでしょう。

 

行きたい学校に特待生制度があるのなら、利用しない手はありません。しかし、行きたくもないのに、特待生制度があるから受けるというのは、本末転倒です。我が子にとっていい学校をまず選び、その上で特待生制度があるかどうかを調べる方が、親子共に納得のいく学校選びができるはずです。

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