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頭が良くなる思考のヒント

頭の良い人

人間は、物の見方や感じ方が一人一人違っていることは当たり前のことです。しかし、その違いが一人一人の人生を変えていきます。今までの自分とは違った思考になれば、昨日まで予想していた明日の自分とは違う人生が始まるかもしれません。今回は、頭が良くなる思考法について見ていきたいと思います。

 

本の読み方次第で思考も変化する

思考法を変える一つとして、読書の際に、入り込んで読んでみる方法があります。例えば、現在もたくさんの作品が世界中で上演されている、劇作家の文豪ゲーテの作品をゲーテになりきって読むということです。ゲーテについて、文学的に知識を得てみましょうという事ではありません。

 

ゲーテが本を書いている姿に、あなた自身がなりきって読みます。そして、ゲーテが考えたように、あなた自身も考えて世界を広げていくのです。書いてある通りに自分も考える事で、偉大な方々の卓越した思考の内側から見ようとすることで、その思考を技術として私達は取り込みます。

 

私達の思考をはるかに超えた、凡人とは異なる考え方を持った方々だから文豪と呼ばれているので、彼らの思考を取り入れることで、いつもとは違うアイディアが浮かぶようになります。「ゲーテならこう考える」といったように、自分が考えないことを取り込む事が自然にできるようになれば、新しい自分が生まれます。

 

ゲーテばかりではなく、夏目漱石や、福沢諭吉、太宰治など日本の文豪でも、心理学など様々なジャンルの本でも読むのは構いません。大切なのは、明らかに次元の違う思考の持ち主に憑依したようになりきって、その思考を自分に取り入れることが出来るかという事です。

 

また、本を読むばかりではなく、思考法はスポーツをしている中でも身につけることが出来ます。活躍している選手達を外から見ているばかりではなく、まずは、マネをして身体感覚で優れている部分を盗むことから始めます。これを積み重ねることで、やがて自分に戻ってくるようになり、上達し始めます。

 

スポーツにおいてこの思考法が技術として身につくようになれば、やがてはマネをした選手以上の実績を残すことが出来るかもしれないし、きっかけによっては、スポーツ以外の分野で自分の力を発揮できるかもしれません。

 

仮説実験授業で偉人の思考を学ぶ

「仮説実験授業」と呼ばれる教育法があります。小中学校で、成績が伸びるのに合わせて、考える力が培われるとして、理科の授業を中心にかつて注目された方法です。教科書通りに教師が授業を進めるのではなく、子供たち自身がかつての科学者が結果に辿り着くまでに歩んだ道を、同じように歩んでいきます。

 

まず、提示された問題に対して、どうなるか仮説を立てます。次に、なぜそう思うのか討論し合い、実験で結果を確かめることで、思考力アップが期待されます。これは、理科に限らず、社会など他の分野でも有効です。

 

始めから答えを教えるわけではないので、授業に時間がかかります。しかし、自分で考える力が身につくのは確実です。例えばアインシュタインが立てた仮説を知り、行った実験を、単に知識としてではなく、実際に体験してみることで、アインシュタインの科学的思考を取り入れることが出来るのです。

 

また、実験は必ず成功するとは限りません。失敗を繰り返し、試行錯誤することで、矛盾や問題に立ち向かうたくましさも身についていきます。合わせて、集団で1つの問題に向き合う中で、自主性や積極性などの生きる力も身につくのです。

 

アインシュタインの相対性理論が何なのか、完全に理解できなくても、彼の科学的思考法と、問題に対して向き合う態度が技として取り込めれば、あらゆる問題に応用できます。

 

思考力を高めなければ、「○○術」は意味がない 

仕事術、手帳術、時間術など紹介した雑誌や本がたくさん販売されていますが、これらを読み、テクニックとして身につけることは大切なことです。しかし、このテクニックを自分の物にするにはどうしたらよいかを考え、答えを出せる思考がやはり必要です。

 

日本は、ものづくり大国と言われていますが、素晴らしい製品が出来上がる原点は、アイディアです。このアイディアを生み出す力こそ思考力です。全体的に物事を捉え、問題点や対応策など様々な角度から分析できる思考力を持つ人間は、ものづくりだけではなく、あらゆるジャンルで活躍の場を広げることが出来ます。

 

テクニックや個別の技術を身に付けても、この思考力は身につきません。例えば、ITテクニックを身に付けても、新しいITソリューションを創造(発想)することは出来ないでしょう。

 

これは仕事に限った話ではありません。例えば、本屋で高校数学の参考書のコーナーを見ると、「高校数学解法100」的な解法パターンを記述している参考書を見かけます。しかし、このような解法パターンを暗記しても、難関大の入試問題は解けない場合が多いのが実際のところです。

 

重要なのは、そもそもなぜこのような解法が出てくるのか(思いつくのか)といった思考の部分です。つまり上記の「全体的に物事を捉え、問題点や対応策など様々な角度から分析できる思考力」ということになります。

 

上辺だけの技術やテクニックだけでは、時代に流されがちになります。まずは、骨格のしっかりした思考力を身につけるための基礎をしっかり叩き込まなくてはなりません。

 

国語・算数・理科・社会・体育・音楽・・・と、学生時代には多くの学問を勉強します。過去の偉人達の業績を知り・理解することは重要ですが、「なぜこのようなことを考えたのか」といった本質的な思考を突き止め・身に付けることは、もっと重要と言えるでしょう。

 

丸ごと真似する思考法では成功者になれない 

数々の業績を残した偉人達を、越えようとするために思考力を高めるのではありません。彼らの業績の基礎となった考え方を自分の思考として取り入れるのです。また、現代社会に合わせて応用化していくことでもあります。こうすることで、遠い昔の偉人の考えも、実生活で取り入れられる身近な物であることが分かります。

 

丸ごと真似するのではなく、得た知識や経験をベースとしながらも、さまざまな視点から物事を見て捉えることで、素晴らしい成果を上げることが出来ます。

 

元 (株)セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長の鈴木敏文さんは、日本初のコンビニエンスストアであるセブンイレブンジャパンの創設者です。アメリカで、コンビニエンスストアについて勉強をしてきましたが、日本で展開する際には、アメリカで学んだことをそのまま横展開するような方法はしませんでした。

 

彼は、商品や経営方法を、日本人向けにアレンジして日本式のセブンイレブンを創り上げ、結果、チェーンストア部門としては、世界最大の店舗数になったのです。アメリカのセブンイレブンを、丸ごと真似して日本に取り込んでいたら、このような結果にはならなかったでしょう。

 

「コンビニエンスストアの経営は具体的にどうやっているのか」ということも大事ですが、もっと大事なのは「なぜアメリカではコンビニエンスストアが必要だったのか」という本質的な部分です。本質が理解できれば、個別の施策は自動的に導かれます。創業者の思考が理解できれば、テクニックは自動的に出てくるということです。

 

コピー&ペーストだけの思考では壁を乗り越えられない 

現在、福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長の元プロ野球である王貞治さんは、現役時代「一本足打法」という独特なバットの振り方で高打率をキープし、初の国民栄誉賞を受賞されました。現役時代の王さんの一本足打法を、当時どれだけの人が真似をして、草野球に夢中になったか、その影響力は計り知れません。

 

一本足打法を科学的に分析した内容などがネットなどに記載されており、否定的なことも書かれています。このような情報を知識として頭に入れ、うんちくを語る事と、一本足打法でホームランを打つことは、全くの別物です。

 

ネット検索しても、王さんの身体能力、知られざる練習内容、微調整などは出てきません。さらに、仮にそれらが分かったとしても、王さんと同じにやっても、違う人間が上手く出来るとは限りません。

 

一本足打法を習得するには、実際一本足打法を試行錯誤でやってみて、ホームランが打てるようになるまで練習するしかありません。つまり本質的な部分である肌感覚、コツをつかむしかありません。

 

コピペしても意味が無いのは、思考についても同様です。

 

例えば、アインシュタインの「相対性理論」 についてネット検索すれば、「光速で動くと物体が縮む」「宇宙旅行をすると年をとらない」「相対性理論により原子力爆弾が作られた」など、いろんな情報が出てきます。数年前より、大学生のレポートのコピペが問題視されているように、これらの情報を知ったところで生産性はほとんどありません。

 

重要なのは、相対性理論の思考の習得です。つまり、「なぜそのようなことを考えたのか」といった本質的な部分です。

 

実は、相対性理論の大筋は「光の速さは一定」という仮定の基、あとは数学の論理展開で導かれます。特に「特殊相対性理論」は、高校数学、高校物理が理解できていれば理解可能です。(※相対性理論は、「特殊相対性理論」「一般相対性理論」の2種類から成る)

 

近代になると古典物理学では説明できない様々な問題が出てきており、それらを説明するために、いろんな実験をした結果、上記のような仮説に行き着きました。

 

むろん、アインシュタインが論文を発表した時代に、光の速さを厳密に測定できる装置はなかったので、実際に実験はできません。アインシュタインは、思考実験(頭の中で想像力で実験)をしたと言われています。

 

相対性理論はあくまで一例ですが、役立つ思考法は他にもたくさんあります。何かを学ぶ際には、表面的な知識の習得に留まらず、本質的な思考法に目を向けることが重要です。

 

哲学書で思考の限界を超えることを学ぶ

今のままでは、自分自身の思考に限界を感じて先に進めない方も多いかと思います。そのような方は、哲学書を開いてみるのも一手です。哲学には、現代でも役立つ思考法があります。代表的なものとして、「現象学」「弁証法」を紹介したいと思います。

 

頭が固いと言われる方は、フッサールの現象学を学ぶ

応用力が足りないとか、考えがワンパターンと言われてしまうとか、思考が偏りすぎている方は、意識がリセットされておらず、1つの思考パターンが残った状態で他の事を考えようとしている人です。

 

このようなタイプの方は、ドイツの哲学者であるフッサールの現象学を読んでみましょう。フッサールは、目の前で起こった現象を当たり前の事として捉えない考え方を提唱しました。視覚から入った情報を、正しい情報だと思うのは、個人の思考に偏りがある方だと考えました。

 

結局、現代の私達は目で見たものを正しいものを認識して生きていますが、フッサールのような思考を学ぶことで、ワンパターンの思考が柔らかくなり、思考の枝が増えていきます。

 

議論が苦手な方は、弁証法を学ぶ

自分の意見を持っているのに、人の反対意見に流され考え疲れてしまい、何事も長続きしない方は、同じくドイツの哲学者、ヘーゲルの弁証法について記載された書籍を読んでみましょう。

 

もともと、ギリシャ哲学として存在していたものを、ヘーゲルが方式として提唱したものです。弁証法は、複数の事象や意見をそれぞれ別の物として対立したままにするのではなく、お互い歩み寄って新たな次元の別な物を創り上げるというような思考法です。

 

自分の意見が反対されたらどうしようと思わず、反対意見を受け入れることで、さらに上の結論を導くことが出来るようになります。

 

なお、決して哲学の内容を理解するという事が目的ではありません。これらの思考法を現代の私達が活かし、技として身につけることで、インターネットの情報などに流されない、芯のしっかりした思考を築き上げることが大切です。

 

言うならば、今の自分とは別の思考法を引き出しとしていくつも持っておき、必要に応じて使い分けるということが重要なのです。

 

先入観を捨て、思考パターンを変えていく

思考パターンがいつも同じで、アイディアに乏しいと限界を感じている人の物の捉え方として、先入観から入って見てしまうという共通点があります。

 

フッサールの現象学から始まり、以後たくさんの哲学者があらゆる分野に広めるほど、先入観を捨てる事については重要視しています。それだけ昔から先入観にとらわれている人が多く存在するということです。

 

そもそも偏見や先入観の塊であるのが人間の意識です。自分の目で見ているものが必ず正しいと脳が勝手に思っている状態です。リンゴを見て、「あれはリンゴだ」という目で見えているだけの概念で判断しています。

 

しかし、先入観がある事が悪いわけではありません。いろいろな食べ物を見た時に「これは食べられる物である」という先入観があるからこそ、人間は生きています。また、蜂を見て「刺されるかも」という判断ができるから危険を回避できています。

 

また、先入観は文化の違いや生まれ育った環境によって積み重なっていくものでもある為、簡単に思考パターンは変わりません。

 

先入観という厚い服を一枚ずつ脱いで外に出てみるイメージを意識して過ごすことで、思考の幅を広げる癖付けができます。この癖付けができれば、仕事においてもアイディアが浮かびやすくなり、問題に対しても解決案を提案できる基礎が作られていきます。

 

分けずに組み合わせる思考を作る

先入観が強いほど、分けて物事を考えてしまいがちになります。しかし、発明品が生み出される瞬間は、意外なものと意外なものの組み合わせを考えた時が多いものです。発明品に限らず、世に出回る製品は、存在している物同士が組み合わさってできてきます。

 

また、製品に限らずサービスに関しても同じことが言えます。平日の客足に伸び悩んでいたカラオケ店が、店の周辺を歩く人はスーツを着たビジネスマンが多いことに着目して、カラオケ店を会議室として利用できるようなサービスを展開したところ、業績アップにつながったそうです。

 

「会議は会議室で行うもの」「カラオケ店はカラオケを楽しむために利用する所」という分けた考えを止めて組み合わせて、歌詞や映像が流れている大きなモニターを、テレビ会議で使えるようにするなど工夫をして、新たな客層を呼び込むことに成功しました。

 

複数の物を組み合わせて出来上がる新しい形を、私達がなかなか創造できないのは、「分けて考える」という癖が思考に刻まれているからです。この癖から脱却すれば、小さな出来事も、人生の転機につながる可能性が広がっていくかもしれません。

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