親子の信頼関係が子供の成長を導く
あなたは子供と信頼関係を築けていますか?親子の信頼関係は、その後の子供の成長に大きく影響します。築けていないかも…と思った方、まだ間に合います。親子の信頼関係の大切さを知り、どうしたらよい関係を築けるか考えていきましょう。
赤ちゃんのアクションに反応を!信頼関係を築けます
子供の健やかな成長を望むなら、子供が3歳になる頃までに、特定の大人(最低一人)がその子と信頼関係を築くことが必要と考えられています。これは誰かと言うと、たいていの場合母親ですが、父親や祖父母でも問題ありません。
生まれたばかりの赤ん坊は、一人では何もできません。誰かの世話を受けることで生きていける存在です。赤ちゃんは泣くことで何かを訴え、その泣き声を聞いて、親はおっぱいやミルクで空腹を満たしてやったり、濡れたオムツを交換して気持ち良い状態にしてやったり、抱っこして声をかけることで安心させたりするわけです。
赤ちゃんは新生児の頃、本人の気持ちとは関係なく、にこっと微笑むような表情になることがあります。これを生理的微笑(もしくは新生児微笑)と呼びます。これに対して社会的微笑というのは、少し成長した赤ちゃんや私たち大人が楽しかったりうれしかったりして笑うものですので、生理的微笑とは異なるものです。
そうではあっても、赤ちゃんのこのような表情を目にすれば、どんな親でもうれしい気持ちになり、優しく声をかけたりあやしたりして、笑顔という赤ちゃんが起こしたアクションに対して反応をするものです。
実はこれが、その子の成長に大きく関わってきます。新生児は、大人に反応してもらうための方法を本能的に実践しているわけですが、もしも大人がこの生理的微笑に気づかず無反応で居続けると、子供は「これはやっても無駄なことだ」と思い、笑みを見せなくなってしまうことがあります。すると、その後精神面での成長がうまくいかず、人と関わる能力に欠けるようになるのです。
赤ちゃんの生理的微笑に対して特定の誰かが反応するようにしていれば、その赤ちゃんはその人に対して絶対的な信頼感を持つようになります。これが、親子間の基本的信頼というものです。愛着関係ができたとも言えます。
このような関係を母親などの大人と結ぶことができれば、父親や祖父母などの他の大人に対しても、徐々に信頼感をもつことができるようになります。さらに家庭の外に出た時にも、先生や友達などの他の人たちと信頼関係を結べて、社会の中でうまくやっていけるようになります。
赤ちゃんもいつかは幼稚園や学校など、家族以外の集団に入るようになり、大人になれば社会に出ることになります。その時にこそ、赤ちゃんの頃に特定の人とのしっかりとした信頼関係が必要になります。自分は親(もしくはそれに代わる誰か)から大事にされている、受け入れられているという、ゆるぎなき感覚をもつことで自信が生まれ、社会に出てからも適応していくことができるのです。
今からでも遅くない!子供と信頼関係を結ぼう
赤ちゃんの頃にきちんと子供のアクションに対して反応し、子供との絶対的な信頼関係を結ぶことが、その後の子供の自立につながります。しかし「赤ちゃんの頃にきちんと子供に反応してこなかった。だから子供と信頼関係を築けていない…」という方もいるかもしれません。
子供と信頼関係を結ぶのに、今からでもまだ間に合います。子供がもう小学生になってしまった、という場合でも大丈夫。子供が親を求めてきたときには、しっかりと抱きしめてあげましょう。中には、親にくっついて離れない子供もいるかもしれません。そんな時も無理やり引き離さないでください。満足するまで抱きしめてあげましょう。
抱きしめる以外にも方法はあります。親のひざの上に子供を座らせ、読み聞かせをさせるのもいいですね。体をぴったりと寄せ合ってテレビを観るという方法もあります。
また、スキンシップだけが信頼関係を築く方法ではありません。子供が「ねえねえお母さん」と話しかけてきたら、どんなに忙しかったとしてもいったん手をとめて、子供の話を聞いてあげてください。このようにしていれば、きっと信頼関係を取り戻すことができるでしょう。
更新日:2019/11/29|公開日:2017/09/22|タグ:信頼