これだけは知っておこう!9,10か月の赤ちゃんの最低限の知識
生後9~10か月の赤ちゃんはどのような状態なのでしょうか?この時期の育児のポイントは?この時期の赤ちゃんに関して、よく聞かれる気になる疑問なども説明していきたいと思います。
動きの発達に伴い広く移動できるようになる
つかまり立ちができるようになることが多い、生後9か月ころ。これまでできていたはいはいやお座り、それにつかまり立ちが加われば、当然動ける範囲が広がってきます。さらに、10カ月になると伝い歩きをし始める赤ちゃんも出てきます。
こんなにいろいろなことができて、あちこちに移動できるようになった赤ちゃんも、もちろん安定感には欠けています。安全面への配慮は不可欠ですね。
赤ちゃんが転んでけがをしないよう、また、階段やソファーなどの高いところから落ちてしまわないように、赤ちゃんが動いているときには目を離さないようにしましょう。
体も大きく育ってきました。この頃の男の子は、身長がだいたい69センチメートルから75センチメートルくらいに、体重は7.8キログラムから10.5キログラムくらいになっています。女の子の場合は、身長は67センチメートルから73センチメートルほどに、体重は7.2キログラムから9.5キログラムになってきています。
発達段階において大切な探索活動
ずっと発達し続けている手指の筋肉や神経。この頃になると、さらに上手に手指を動かせるようになり、取っ手をつかんで引き出しを開けることもできるようになります。これは、親指と人差し指を用いて、何かを握ることができるようになった証です。
この時期は、手を使うこと、例えば物を握る、つかむ、たたくなどの行為が非常に面白く感じる頃なのです。
手だけではなく、口でも物を確かめようとします。手にしたものを何でも口に入れようとするのです。
お母さんやお父さんにとってはハラハラすることにもなりますが、発達段階上、とても大切な行為ですから、危険のない範囲で見守ってあげてください。誤飲しそうな小さなものはそばにおかない、開けてはいけない引き出しはロックをかけておくなどの工夫が必要ですね。
まねっこ大好き!
お母さんがパチパチと拍手をしたら赤ちゃんもパチパチ、お父さんがバイバイと手を振ったら赤ちゃんもバイバイ、といった具合に、周りの大人のまねっこが上手になる時です。このまねっこ遊びにもちゃんと意味があります。大人のまねをすることで、様々な生活習慣を覚えていくのです。
赤ちゃんは何度も同じことを繰り返すのが大好きで、大人にとっては面倒に思ってしまうこともあるかもしれませんが、この繰り返しにより、いろいろなことを身につけ覚えていくので、できる限り相手をしてあげましょう。
いつもママのそばにいたい時
この頃の赤ちゃんは、お母さんが自分のそばから離れると、泣きながら後を追ってきたりします。これを、「後追い」と言います。
お母さんが自分の近くから離れてしまっても、またすぐに戻ってくるということをまだ理解できないため、赤ちゃんにとってみればとても不安な気持ちになります。それで、後追いをするというわけなのです。
忙しい時にはお母さんも困ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんが安心できるように抱っこしてあげたり、優しく声をかけてあげたりしてください。赤ちゃんから少し離れたところで何かをしなければならない時は、そこから赤ちゃんに話しかけたり、歌を歌ってあげたりするのも良い工夫です。
生後9~10か月の赤ちゃんのための離乳食づくり
舌を使って食べ物をつぶすだけでなく、歯ぐきで物をかむということを覚えるようになります。
赤ちゃんがいろいろな食材に慣れ、歯ぐきで噛んでいる様子が見られるようになったら、離乳食タイムにリズムをつけましょう。大人のように1日3回、なるべく同じ時間に食べるようにするのです。
できるなら、家族と同じときに離乳食タイムがあるといいですね。家族と一緒に食べる食事は、赤ちゃんにとっても楽しいものでしょう。
離乳食の量も少しずつ増やしてみてください。それに伴い、おっぱいやミルクの量は、段階を追って減らしていくようにしましょう。
さて、この頃になると、赤ちゃんにも好きなもの、嫌いなものがあるようになります。これは、自我の芽生えによるものなのです。好き嫌いが激しいと悩むかもしれませんが、この時期はまだ、好んで食べるものがあるならOKです。
このころの育児に対する良く聞かれる気になる疑問
●この頃の赤ちゃんにおすすめのおもちゃは、どんなもの?
手指が器用になってきている赤ちゃん。そんな赤ちゃんの手指を十分使うことができるおもちゃが良いでしょう。例えば積み木や簡単なパズルなど、指を使って作り上げるおもちゃ。また、指を使って音を出す、おもちゃのピアノや木琴、鉄琴などもおすすめです。
動きのあるおもちゃも、赤ちゃんの興味をひきつけます。
玩具のパッケージにはたいてい、おすすめの月齢・年齢が書いてあります。そこにも注目しながら、店頭で赤ちゃんと一緒に選ぶといいでしょう。
●なんでも口に入れてしまう赤ちゃん。誤飲が心配ですが、万が一の時にはどうすればよい?
ペットボトルのふたなどは、ついその辺におきっぱなしにしてしまいがち。このような大きなものが気管に入ってしまうと、窒息してしまうため、これは緊急事態です。すぐに赤ちゃんを逆さまに吊るすような姿勢にし、背中を強めに叩いて、詰まったものを出します。
出てこないようなら、すぐに119番に連絡し、救急車に来てもらいましょう。
自分の子には起こらないことだろうと思わないでください。赤ちゃんの事故のワーストワンは、誤飲によるものなのです。
特に危険なのは、タバコと洗剤、医療品などです。これらを誤飲したら、何よりもまず救急車を呼ぶこと。起こってしまったことはどうしようもありませんから、とにかく落ち着いて対応してください。
また、このようなことが起こらないよう、予防に努めるのが一番大事なことです。危険なものは、赤ちゃんの目に触れるところ、手に届くところには置かないようにしましょう。
上記に挙げたもの以外にも、のどで詰まりそうなもの、電気のコード、キッチン周りの刃物等、危ないものはないかどうか、確認してください。
大人と子どもの目線は違うもの。予防に努めるなら、赤ちゃんの目線で危険なものがあるかどうかを調べる必要がありますね。
●この時期になって、育児疲れがドッと出てきました。なんとか体調を良くしたいのですが…
赤ちゃんにずっとつきっきりなのですから、育児の疲れが出ても当然ですね。育児は今後も長く続きますので、上手に休みをとりましょう。
お母さんの体調回復のための方法をいくつか紹介します。
○お父さんや両親などに赤ちゃんを預け、たまには一人でのんびり過ごしてみてはどうでしょう。リフレッシュできますよ。
○おっぱいを出すためにと、無理やりたくさん食べようとすると、体が重く、だるい感じになります。食べるのは必要ですが、おっぱいのためのメニューや栄養バランスについて、もう一度考えてみましょう。小魚はカルシウムがとれますので、母乳のためにも疲労回復のためにも良い食材です。ピーナッツもたんぱく質を含み、疲れもとってくれます。
○ストレッチなど、軽い運動もおすすめです。体がほぐれ、気分がすっきりするでしょう。
○母乳育児に疲れているようなら、たまにはミルクにしてみてもいいですね。上手にミルクを取り入れて、ストレスや疲れを軽減させましょう。