これだけは知っておこう!11,12か月の赤ちゃんの最低限の知識
生後11~12か月の赤ちゃんはどのような状態なのでしょうか?この時期の育児のポイントは?この時期の赤ちゃんに関して、よく聞かれる気になる疑問なども説明していきたいと思います。
そろそろおっぱいやミルクからの卒業を
ついこのあいだ生まれたばかりに感じる赤ちゃんも、もう1歳を迎えようとしています。この間に赤ちゃんは、心も体も大きく成長しました。
この時期の男の子の身長は71~77センチメートル、体重は8.2~11キログラムほどに。女の子の身長は、70~76センチメートル、体重は7.6~10キログラムほどになってきています。
生後5か月くらいから始めた離乳食は、順調に進んでいるでしょうか。そろそろ赤ちゃんへの主な栄養源は、おっぱい・ミルクから離乳食へと切り替わってもいいころになっています。
断乳や卒乳という言葉があります。断乳というのは、母乳やミルクを一切やめて離乳食のみにすること。それに対して卒乳には、母乳・ミルクから離乳食へと、緩やかに切り替わっていくイメージがあります。
どちらが良いということはありません。ただ、もう時期だからといって、突然におっぱいやミルクをやめなければならないということはないので、仕事に復帰するなどのはっきりした理由がないのであれば、赤ちゃんの様子を見つつ、少しずつ離乳食へと移行していってはいかがでしょうか。
哺乳瓶ではなく、コップから直接飲み物を飲むことができるようにもなってきます。そんなところからも、少しずつ卒乳を目指していけますね。
感情や認知など、心がより発達します
内面の発達を表している赤ちゃんの様子の一つに、感情の浮き沈みが激しくなるということがあります。つい今までにこにこしていたかと思ったら、突然かんしゃくを起こして泣く、といった具合です。
また、ある程度の予測ができるようになるため、お母さんがその場を離れそうなそぶりを見ただけで泣いたり、すぐに後を追いかけようとしたりします。
芽生え始めた自我はより強くなりますし、こちらの問いかけや話しかけに反応できるようになります。1歳を迎えるころの赤ちゃんは、ここまで認知や感情など、心の部分が発達してきたということなのです。
このような時期になったら、おすすめなのが絵本です。深く本の内容を理解することは求められませんが、きれいな色やいろいろな形などの絵は、赤ちゃんの心に良い影響を与えます。
それに、絵本を一緒に読むことは、良いコミュニケーション方法の一つです。赤ちゃんを膝に乗せて読み聞かせしてあげれば、赤ちゃんはお母さんのぬくもりや優しい声とともに、愛情を体と心全部で感じることができるでしょう。また読み聞かせは、言葉で伝えるという方法を教える、良い方法でもあります。
この時期の赤ちゃんには、原色などのはっきりした色合い、シンプルな絵が受け入れやすいようですので、参考にして選んでください。
たくさんの本を一度に与える必要はありませんので、お母さんやお父さんもぜひ楽しみながら、少しずつお気に入りの絵本を見つけていってはいかがでしょうか。
叱る場面も必要です
この時期の赤ちゃんは、広くなった行動範囲と、旺盛な好奇心で、いろいろなことをします。時には、危ないことをしそうになることも…。でも赤ちゃんはまだ、危険なことがどういうことなのかを知りません。この時期にこそ、命に関わる危険なことを、しっかりと教えてあげましょう。
成長とともに、叱る場面が出てきますが、この時期の赤ちゃんには、危険なことをしそうになった時が、強く叱る場面と言えます。
やかんやストーブなど、熱いものに手を伸ばそうとしたとき。
口にしてはいけないものを食べようとしたとき。
そんな時には間髪入れず、そして短く強く「だめ!」と叱ってあげてください。
赤ちゃんはきっとびっくりして、泣きだすこともあるでしょう。叱ったらその後には、優しく抱きしめて、「大好きだから、大事だから叱るんだよ」という気持ちを伝えるのを忘れずに。
危険なことをしないというのは、すぐには身に付かないことでしょう。それを念頭において、粘り強く教えてあげてください。繰り返すうちに、危険なことをしなくなってきます。その時こそ、「えらいね!」とほめてあげましょう。
あることをしたら叱られる。しなかったら褒められた。この経験を繰り返すうちに、危険なことなのだ、してはいけないのだということをはっきりとわかっていくのです。
生後11か月~1歳の離乳食で気をつけること
離乳食の回数は3回になり、大人と同じような食材も食べられるようになってきます。ただし、まだ避けたい食材もありますし、塩分や固さには留意したいものです。大人と同じものを食べる時にも、少し小さめに切り、より柔らかく仕上げるよう工夫しましょう。
また、徐々に離乳食を栄養源のメインにしていくよう、おっぱいやミルクのあげ方を考えていきます。
1歳ころになれば、離乳食から幼児食へと移行していくことができます。段階を踏んで、食べ物の柔らかさや大きさを変化させていきましょう。
おっぱいやミルクを飲まなくなるということは、これらに豊富に含まれるカルシウムや鉄分が不足しがちになるということ。離乳食、および幼児食では、意識してこれらの栄養素をとるようにしましょう。
この時期の赤ちゃんは自我が強くなってきていますから、何でも自分でやりたがり、食事の時にも、自ら手を伸ばして食べようとする子も出てきます。衛生や安全に気をつけて、見守りましょう。
このころの育児に対する良く聞かれる気になる疑問
●おっぱいやミルクをやめられない
赤ちゃんはおっぱいや哺乳瓶が大好きですね。吸い付けば難なく出てくるのですから、赤ちゃんに取ってみれば便利なことこの上ないのです。おっぱいであれば、コミュニケーションの一つでもありますから…。
お母さんが卒乳したいと強く思うのであれば、きっぱりと見切りをつけるのも大事です。おっぱいを欲しがって泣いたとしても、何か別のことで興味を誘い、徐々に授乳の回数を減らしていくことを目指しましょう。
夜中におっぱいを欲しがってひどく泣くようなら、卒乳ではなく断乳という形でやめてしまうのも一つの方法です。
断乳・卒乳ともに大事なのは、おっぱいやミルクで十分足りていた鉄分やカルシウムを、離乳食や幼児食で補うようにするということ。鉄分をとるには、赤身肉や魚を食べさせるのがおすすめです。
●職場復帰すべきか、退職すべきか
こればかりはどちらが良いとは言うことができません。家庭の事情もありますし、育児に対する考え方にもよります。まずはこのことについて、夫婦でしっかりと話し合い、どうしていくかを決めていくしかありません。
その時には、経済的なこと、お母さんの職場でのキャリア、育児をサポートしてくれる施設の有無、仕事と育児・家事の両立をどうするかなどを考えていきましょう。また、忘れず考えてほしいのは、本人であるお母さんが、どちらの気持ちが強いかということです。
育児をサポートしてくれるところ
職場復帰を考えているなら、お母さんやそのお子さんを支えてくれる施設を調べておきましょう。いくつか例をあげてみます。
○認可保育園
自治体からの認可を得るために、保育条件が、決められた基準を満たしている保育園です。何歳(何カ月)から入園できるかは、施設により異なります。
○認可外保育園
自治体により定められた基準に沿うのではなく、それぞれの保育園によって異なる保育活動を展開しています。
○共同保育所
親同士の連携による運営で成り立っている保育所なので、自分も保育園の運営に携わらなければなりません。インターネットや口コミ、電話帳などから見つけられます。
○保育ママ
自宅で保育者に子どもを見てもらう方法。保育者は、保育士や助産師、看護師、教員などの資格保有者です。問い合わせは、お住まいの地域の福祉事務所や役所の保育課へ。
○ベビーシッター
高額費用が必要になりますが、ベビーシッターを頼めば、自宅で子どもの面倒を見てもらえます。ただし、どうしてもほかに方法がない場合や、経済面で恵まれている場合など、利用する機会は限られているようです。