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子供の意欲を引き出すテクニック

意欲

「どうやったら勉強やお手伝いを意欲的にやってくれるのかしら」「はじめはやる気満々なのに、その意欲がどうも続かない…。最初の意欲を保つ方法はないかしら」と思っている親御さんたちに、上手に子どもの意欲を引き出し、その意欲を維持させる方法を紹介しましょう。

 

目標を立てるタイミングで子どもの意欲がアップする!

子どもの意欲的な姿を期待するなら、まずは目標を設定する必要があります。意欲を向ける方向を決めるわけです。ですが、ただ親が目標を提示しても、あるいは子どもに立てさせても、それで意欲が持てるわけではないのです。カギとなってくるのは、「目標を立てるタイミング」です。つまり、目標を立てるのに適した時期はいつか、ということですね。

 

それはズバリ、物事がひと区切りついた時です。学校に入学する時、次の学年に上がる時などはもちろんのこと、学期始めや長期休業の始めの日なども、目標設定に向いている時期です。

 

なぜこの時期がよいかというと、物事が一区切りついたときというのは、子どもの気持ちはいつもより上昇傾向にあるからです。はたから見ても分からないかもしれませんが、心のうちでは「成績表では算数が悪かったな。2学期こそはいい点数をとりたいな」とか「最高学年になったんだから、はりきらなくちゃ」などと思っているものなのです。

 

中にはもっと具体的に「今年の夏休みこそ、25メートル泳げるようになるぞ」「1学期に習った漢字を夏休み中に全部覚えるぞ」などと考えている子どももいます。それほど、何かが一区切りついたときというのは、子どもにとってはテンションが高まった状態になるものなのです。

 

大人にはこのような区切りというものがなかなかはっきりとはつかず、つい漫然と日々を過ごしてしまいがちですが、これは長く生きてきたせいで、区切りというものに慣れきってしまっているからかもしれません。

 

ですが子どもは違います。大人ほどいろいろな区切りに慣れていませんから、いつもフレッシュな感動があるのです。子どもに何度となく訪れる区切りのタイミングを上手にとらえて、一緒に目標を考えてみましょう。きっと主体的に目標を立てられますし、その目標に向かって意欲的に進んでいけるはずです。

 

親の言葉のかけ方一つで、子どもの意欲はさらに上がる!

子どもに目標を立てさせるには、物事が一区切りついたときにやるのが一番です。そのような時には、子どもの気持ちが上向きになっているからです。この気持ちをさらに高い意欲にもっていくには、目標を考える時の親の言葉かけを工夫する必要があります。どんな工夫かというと、ほめることから会話を始めることです。

 

ほめる内容はどんなものでも構いません。「給食を残さず食べられるようになったよね」「黒板消し係の仕事を頑張ったね」「風邪をひかなかったね」「毎日早寝早起きできたね」などなど、お子さんの様子を振り返って、頑張っていたところ、うまくいったところを見つけ、ほめてあげましょう。

 

「あまりほめられることをしなかったわ」と感じていても、よく思い出してみてください。どんな小さなことでもいいのです。「こんな些細なことを?こんなことできて当然でしょ」と思ったとしても、それを拾ってほめてあげてください。

 

親にこのようにほめられると、「そうか、自分はこんなことを頑張れたんだな」と気づき、「よくやったな」と自分を認められるようになるでしょう。すると、一区切りついたときに感じていた上向きな気持ちがもっと上昇し、今後に向けて奮起する気分になれるのです。

 

子どもの気持ちを高いところにもっていったところで、いよいよ本題に移ります。「それじゃ、2学期はどんなことを頑張りたい?」「次の学年になったらどこに力を入れたらいいと思う?」という具合に。

 

そのような親の問いかけに対して、子どもによっては「九九で言えない段があったから、休み明けまでに全部言えるようになりたい」というように、具体的な目標を立てはじめることもあります。

 

もちろん、親にそう聞かれても、自分からは具体的な目標を考えられない場合もあります。そんな時でも、親が「習った漢字を冬休み中に完璧に覚えようか」などと提案すれば、それを肯定的に受け入れることができるでしょう。自分の意欲が最高に高まっている状態だからです。

 

目標を立てさせるだけなのに、ほめることから始めるなんて回りくどいな、と面倒くさがらないでくださいね。この一工夫で、子どもの意欲は大きく変わってくるのですから。考えてみてください。「漢字テストの成績が悪すぎる!夏休みが終わるまでに完璧に覚えなさい」というように、叱ることから始まっても、決して意欲はわきませんよね。

 

叱られてテンションが一気に下がってしまった状態からは、なかなか意欲はわいてこないものです。それはまるで、ブランコで遊ぶときと似ています。

 

子どもが座るブランコを揺らしてあげた経験のある親御さんならお分かりでしょうけれど、ブランコを後ろからもって、後方に大きく高く引けば引くほど、ブランコは高く振れますし、長く揺られていられます。反対に、ちょっとしか後ろに引っ張ってやらないと、手を離した後も低いところまでしかいけませんし、すぐに揺れが止まってしまいます。

 

ブランコを後ろに大きく高く引いた状態が、子どもをほめることによって意欲が高まった状態です。そこで目標設定の話を持ち出せば、高い意欲を持ったまま、目標に向かって頑張るぞ、という気持ちになれるのです。

 

叱られて意欲がしぼんでしまった状態では、目標を立てることも難しいですし、それに向かって頑張ろうという気持ちもわいてこないものなのです。

 

目指している目標を見失わない!

長期休みの最初や、新しい学期が始まるときなど、区切りとなる時期に目標を立てると、意欲的になりやすいものです。そしてその目標は、そのままにしておいては忘れてしまいますから、必ず目標を文字にして書いて、いつも見る場所に貼っておきましょう。

 

この時、どのように書くかについても注意が必要です。やってしまいがちなのが、「1日10個の漢字を練習する」「玄関掃除を毎日する」「計算プリントを1日1枚解く」といった書き方です。この書き方のどこがいけないのでしょうか。

 

実はこれらはすべて目標ではなく、目標を達成するための具体的な手段です。手段だけでなく、目標もきちんと書くことが大事なのです。例えば「休み明けの漢字テストで100点取れるように、1日10個の漢字を練習する」「帰ってきた家族が気持ちよく感じるように、玄関掃除を毎日する」「計算名人になるために計算プリントを1日1枚解く」といった具合に。

 

目標達成のための手段だけを書いてあっても、そのうち「どうしてこれをやっているんだったっけ」と、最初に立てた目標を忘れてしまいがちになるのです。始めははっきりとしていた目標を、次第に見失ってしまうことが多いというわけです。これでは、始めの高い意欲がしぼんでいってしまい、続かなくなってしまいます。

 

このような状態に陥らないためには、目標とそれを達成させるための手段とを合わせて書いておき、必ず毎日目にする場所に貼っておくのが一番です。目指すべき目標が常に頭にあれば、最初に持った高い意欲をずっとキープできるのです。

 

振り返りシートで子どもの意欲を持続させる!

振り返りシートをご存知ですか?親御さんたちも、小学生の頃にはよく書かされたのではないでしょうか。項目ごとに1日を振り返って、よくできたら二重丸、ダメだったらバツという具合に、毎日印をつけていくシートです。「お皿拭きの手伝いはきちんとやったから二重丸」「漢字練習はさぼっちゃったからバツ」などと、印をつけながら反省ができます。

 

「ああ、あれね。でも、あれって面倒くさくて、結局後でまとめて振り返って、適当に印をつけちゃうのよね…。やる意味があるのかしら」と感じる方も多いでしょう。多くは学校から「書きなさい」と一方的に押し付けられるものですから、そのようになっても無理はありません。

 

ですが、この振り返りシート、コツを押さえて上手に使うと、子どもの意欲を持続させるのにうってつけの、素晴らしい道具となり得るのです。あまり凝って作る必要はありません。縦軸に日付、横軸には項目欄として、頑張ることを書くような形で、シンプルな表を作ればよいのです。

  庭がきれいになるように、毎日花に水やりをする 次のテストでは算数で100点がとれるように、計算問題を毎日10問ずつ解く 気持ちのいい部屋にするために、寝る前に10分間片づけをする リレー選手に選ばれるように、毎朝10分間ランニングする
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「庭がきれいになるように、毎日花に水やりをする」「次のテストでは算数で100点がとれるように、計算問題を毎日10問ずつ解く」という書き方で、目指すべき目標と、それを達成できるような手段を、項目欄に書きましょう。

 

そして1日の終わりにはこの振り返りシートを見て、二重丸や三角、バツなどをつけていきます。熱を出したとか旅行に行ったとかいう事情があってできなかった場合には、斜線でも引いておきましょう。表の作り方も使い方も、実にシンプルです。ただ、意欲を持続させるにはコツを押さえる必要があります。

 

それは、この振り返りシートを、子どもにとって負担が少ない物にするということです。継続させることを第一に考え、あまり負担が大きくならないように工夫しましょう。毎日やるのは難しく感じられる項目内容であれば「1日おきに算数の50問プリントを1枚やる」という感じで決めても良いのです。子どもの性格や項目内容の難しさに応じて決めましょう。

 

また、毎日二重丸でなければだめ、という考えでやるのは、厳しすぎて続かない可能性があります。「バツが付いた日があっても仕方がない。でも、バツは連続3日以上にはならないように気をつけよう」というくらいの気の持ちようでどうでしょうか。そのくらいの気持ちでやった方が、長く頑張れるものです。

 

また、一方的に「やりなさい」と押し付けられた振り返りシートというのは、子どもでも大人でも意欲が持てず、記入し忘れてしまったり、やろうと決めたことも続けられなかったりしがちです。このようなことを防ぐには、最初に子どもが「このことを頑張ってやり遂げるぞ!」という強い意欲を持っておくことが必要不可欠です。

 

そのためには、目標設定の仕方が大切になります。夏休みの始めに立てる目標であれば1学期頑張ったところを、進級した時には前の学年で頑張ったところを、まずはたくさんほめてあげましょう。そのうえで、次はどんなことを頑張るかという話をすると、高い意欲を持って目標を立てられます。始めに意欲をしっかりと高めておくのがポイントなのです。

 

子どもが振り返りシートを使っているなら、親用の振り返りシートも不可欠

振り返りシートというのは、目標を達成するために頑張ることを、きちんと実行できたかどうか振り返り、毎日二重丸やバツなどの印をつけていくものです。子どもが高い意欲を持って目標を立て、無理のない計画になっているものであれば、この振り返りシートは意欲を持続させるのにとても効果的なアイテムになってくれます。

 

振り返りシートが、子どもの頑張りを継続させるのに役立つものになるためには、もう1つ、大切なポイントがあります。それは、親用の振り返りシートも用意するということです。親は何を振り返ればよいのかというと、子どもの頑張りをきちんと把握できたかどうかということです。

 

例えば、子どもが「毎日玄関掃除をする」と決めたなら、それを実行したかどうかをチェックしなければなりません。実行していたらほめ、実行していなかったらやるように言葉かけをする必要があるでしょう。それらを親が忘れずできたなら、その日は二重丸です。逆にできなかったらバツをつけることになります。

 

親用の振り返りシートの縦軸は日付、横軸は子どもが頑張ると決めたことの数は最低必要になります。子どもが目標に向かって頑張れたかどうかを自分で振り返っているだけでは、意欲は継続できないことが多いのですが、親も子どもの様子を把握し対応できたかどうかを振り返ることで、子どもの頑張りを後押しできるのです。

  手伝いについての把握 勉強についての把握く 片付けについての把握 運動についての把握 ゲームの約束についての把握 子どもをほめたか 体のふれあいはあったか 笑顔を引き出せたか
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親用の振り返りシートで連日バツが続いてしまった時は要注意です。なぜならそのような時は、子どもの振り返りシートもバツが続いていたり、振り返りそのものができていなかったりするものだからです。

 

実は、子どもの頑張りが続かない原因が、親にあることも多いのです。親が、子どもが何を頑張ると決めたのかを忘れ、ちゃんとやっているかなとチェックすることも忘れていると、子どもがやらなくなったことに気付けません。

 

そうして気づいたときには子どもは全くやらなくなっていて、親は叱らなければならなくなり、子どもも叱られなければならなくなるのです。親だって忘れていたのですから、一方的に子どもだけを責めることはできませんよね。

 

子どもの意欲を持続させるためにも、不要なお説教をなくすためにも、親用の振り返りシート作成は必要と考えます。これさえあれば、子どもがやると決めたことをすっかり忘れている日が少し続いても、その時に素早く親が気づいて言葉かけをすることができるのです。

 

そうすれば、結果的に全く目標達成のために頑張れなかった、という事態にはなりません。さらに、「自分で決めたのにすっかり忘れて!ずっとやっていないじゃないの!」などとお説教しなければならなくなるという事態まで防げるのです。

 

子どもがさぼったり忘れたりしたことをすぐに親が見つけられれば、やらない日が長く続くことはありません。そうすれば、親だって叱らずに済み、余計なストレスを感じずに済むというわけです。

 

頑張ることだけでなく、親子で決めた約束事も振り返る項目に入れておくといいですね。例えば「ゲームは一日30分」等と言う約束を守れたかどうかチェックし、それに対して親が対応できていれば二重丸となるわけです。

 

また、子どもをほめたかどうか、体と体のふれあいができたかどうか、子どもの笑顔を引き出せたかという項目を入れるのもいいでしょう。こうすることで親用の振り返りシートは、子どもの意欲を持続させたり叱る回数を減らしたりできるということの他に、親子の結びつきを強めてくれるというメリットをも持つようになります。

 

このような項目があることで、「最近バツ印が続いているな。よし、今日こそはほめられるように、いいところをたくさん探そう」「今日はどのような作戦で子どもを笑わせようかな」などと、その項目を意識して生活できるようになるのです。

 

これがしっかりと定着すれば、叱らない子育てが実現できるのです。多くの親は叱らずほめて育てたいと思っていますが、現実なかなかそううまくはいきません。「今日こそは叱らないぞ」なんて思っても、忙しく過ごしているうちについ忘れてしまうのです。この「忘れてしまう」を防いでくれるのが、親用の振り返りシートです。

 

親用の振り返りシートさえあれば「子どもをほめよう」「子どもとのふれあいを大事にしよう」という決意を忘れず実行できるようになるのですから、ある意味子ども用のそれよりも重要な役割を果たしていると言ってもいいでしょう。

 

ちなみに、親用振り返りシートは、子育てに関してだけ使えるものではありません。仕事で使ってもいいですし、自分自身のスキルアップに使ってもいいのです。ただし、頑張ることを増やしすぎると大変になりますので、自分の力や持てる時間などを考慮して、無理なく続けられるものにするのが大切です。

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