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良い叱り方、悪い叱り方!叱り方一つで子供は良くも悪くもなる

子供を叱るお母さん

子供の叱り方に悩んでいるお母さんは意外に多いようです。大人が大人を叱るのも難しいのですから、まだまだ小さい子供に対してどうやって叱ればいいのかなんて、分からなくて当然です。叱り方にも、子供にとって良い叱り方と悪い叱り方があります。普段の自分と子供を思い浮かべながら、叱り方について見ていきましょう。

 

子供の叱り方を振り返ってみよう

お母さんだって子供を叱らずに済むなら、叱りたくありません。でも、子供のためを思って、もしくは「ついつい」という時もあるでしょう。

 

上手な叱り方についてお話する前に、お母さんたちにもいくつかのタイプがあります。もし、これらのタイプに自分が当てはまるかもしれない、そう思ったら注意してください。自分では気が付かないうちに、子供を傷付けるような叱り方をしてしまっているかもしれません。

 

タイプ①:反射的に叱ってしまう

叱るつもりはなかったのに、ついつい、反射的に叱ってしまうことはありませんか?お母さんだって疲れることがあります。そんな疲れていたり、忙しかったりした時に、普通なら叱らないような場面で叱ってしまっていませんか?

 

また、子供の話を聞かずに頭ごなしに叱ったり、短い言葉「ダメ」「うるさい」などの単語を使って叱ってはいませんか?子供に「面倒な」質問をされた時にも、反射的に叱ってしまうのがこのタイプです。

 

タイプ②:子供に押しつけてしまう

お母さんなら多かれ少なかれ子供の将来について考えているでしょう。しかし、子供のことを思うあまり、目の前の子供が見えなくなっていませんか?子供の話を聞かずにお母さんだけの考えで動いてはいませんか?

 

子供が興味無さそうにしていてもお構いなく、自分が良いと思った本を読ませたり、自分が決めたスケジュール通りにしないと気が済まなかったり、お小遣いをあげても結局お母さんがお金の使い方を指示していたりしないでしょうか。

 

お母さんの言うことを聞く子供が良い子ではありません。素直にお母さんの言うことをきく子供良い子だと思っていたら要注意です。

 

タイプ③:周囲に敏感で自信がない

自信のあるお母さんなんてそうそういませんが、自分の周りの色々なものと比べて勝手に自信をなくしていませんか?例えば、最近はたくさんの育児書が出ていますから、その育児書に書いてあることと我が子の違いにショックを受けたり、他の子供と我が子を比べてしまったりしていないでしょうか。

 

また、「あの塾は良い」とか「あの○○は良い」等の話を聞くと、子供の意見も聞かずにそこへ通わせようとしたり、他の子供が通っている習い事が気になったりしていませんか?人生の大事なウエイトが学歴や地位、財産だと思っているお母さんもこのタイプです。良い学校に入れたら子供が幸せになれると思っている人もこちらです。

 

タイプ④:一段上から話をする

「お母さんはエラい」というのは間違ってはいません。世のお母さんたちは本当に家族や子供の為に頑張っています。しかし、子供と接する時には子供と同じ目線にたちましょう。

 

子供には挨拶、挨拶とうるさく言うのに、自分は子供に挨拶していなかったり、お手伝いをしてくれても「ありがとう」がなかったり、自分が間違っていた時にはきちんと謝っていますか?このタイプのお母さんは子供に対して要求が多いのも特徴です。

 

また、出産してお母さんになれば、誰でも自分の時間が犠牲になります。それを「負担」だと感じて、面白くない、つまらない、と感じていたり、子供のおもちゃを勝手に捨ててしまうお母さんもこちらのタイプです。

 

タイプ⑤:ネガティヴ

子供の前でお父さんへの不満を言ったり、先生や友達の悪口を言ったりしていませんか?子供にとってはお母さんのことも大切ですが、お父さんのことも大好きなはずです。ネガティブな発言はよくありません。

 

何かあったら他人のせい、社会のせいにして噂話が大好きだったりするのも、このタイプに多い傾向です。

 

タイプ⑥:間違った甘やかし

最近は昔と違い共働きの家庭もどんどん増えています。共働きだからといって、お金や物を必要以上に与えたり、子供の好きなおかずしか作らないということはないですか?もしくは、お手伝いをしてくれた時にお金をあげたり、子供の欲しがるものを買ってあげる行為が、愛情表現になると勘違いしていませんか?

 

甘やかすばかりが愛情ではありません。子供だけが生きがいになっているお母さんも、このタイプの傾向があります。

 

タイプ⑦:間違い放任

教育方針はそれぞれのご家庭で異なるのは当然です。なかには「うちは放任主義なんです」というご家庭もあるでしょう。しかし、間違った放任になっていませんか?

 

テレビを時間制限を設けずに自由に見せたり、公共交通機関や公共の場で子供が騒いでも放置していたり、おもちゃを買ってあげても一緒に遊ばず放置していたりするのは間違った放任の方法です。心当たりのあるお母さんは注意しましょう。

 

良いしつけとは

最近は兄弟がいると言っても2〜3人です。5人兄弟なんていうと、ちょっと昔は何も珍しいことではなかったのに、今では大家族扱いされたりします。経済的にも豊かになり、子供は欲しいものがたくさんあります。

 

兄弟が少ないと、おもちゃやゲームなどで一人遊びをして過ごす事も多く、兄弟ゲンカもする機会が少ないでしょう。また、お父さんやお母さんも同じような環境で育ったのでしょう。高校生になるまで叱られたことのない子供がいたり、叱り方の下手なお父さんお母さんが増えています。

 

年齢によるかもしれませんが、赤ちゃんを抱っこしたりするのは自分の赤ちゃんが初めてというお母さんも珍しくありません。初めての赤ちゃんは誰でも扱いに困ってしまうものです。最初からベテランのお母さんはいません。

 

よくお母さん一年生と言ったりしますが、子供と同じように親も成長していくのです。焦る必要はありませんが、より良い親になろうと子供と一緒に努力していくことが必要です。良いしつけとは、子供と一緒になって試行錯誤しながら成長しようとすることです。

 

親が思っている以上に、子供はお父さんお母さんの事を見ています。例えば、お母さんが一生懸命お料理の勉強をしていたら、子供はそれをちゃんと見ています。そんな姿を見れば、子供も自分のやるべきことをする様になるでしょう。まさに「親の背を見て子は育つ」です。

 

叱るだけじゃない、褒めてみよう

叱ると怒るの違い

親が子供を叱るのは、もちろん子供の事を思ってのことです。しかし、叱るのではなく、怒ってはいないでしょうか。「叱る」と「怒る」は違います。何が違うのか言葉で説明出来ますか?

 

目の前の我が子が、朝の忙しい時にグズグズしだしたら、ついつい怒鳴ってしまってはいませんか。感情的になってしまい、叱るではなく怒るになってしまうのです。怒ることは自分の感情を相手にぶつけてしまうことです。つまり、自分の怒りを子供にぶつけてしまっていることになります。

 

一方で叱るというのは、相手のことを思って相手をより良くしようとするアドバイスや注意のことです。そこには感情は一切入りません。怒ると叱るを混同してしまっている親が多いように感じられます。あなたは今日子供を叱りましたか?それは怒るになってはいませんでしたか?

 

「叱る」と「怒る」が違うというのを、まずはしっかりと意識しましょう。親が怒れば子供は怖いので、とりあえず言う事を聞きます。怖いのでこれ以上怒って欲しくないからです。そうなると「どうして怒られたのか」なんて理解できません。

 

どうして怒られたのか理解できないまま親の怒りをやり過ごすと、また同じ事を繰り返します。怒られた理由が分からないのですから、当然といえば当然です。これではお互いのためになりません。「何度言っても同じ事ばかりして!」と子供に言っているお母さんは、子供の叱り方が下手なのです。

 

子供だって「どうして自分が叱られているのか」「どうすればいいのか」ちゃんと理解できれば同じ失敗は繰り返しません。子供が納得して自分の行動や言動を反省できるような叱り方が上手な叱り方です。

 

やる気スイッチは存在する

子供がいると、ほぼ毎日何かしらについて叱っている事でしょう。何回叱ったのかは覚えているお母さんが多いですが、何回褒めたのかは覚えていないお母さんが少なくありません。むしろ、今日は一回も子供を褒めていないというお母さんがいたら、もっと子供を褒める努力をしましょう。

 

叱ることも大切なしつけですが、叱るよりも褒める方がしつけについては効果的です。子供と思って下に見ず、対等な立場だと思って、子供側の立場に立ってみてください。一日中叱られてばかりでは、大人だって面白くありません。会社で上司からアレコレと叱られてばかりではヤル気もだんだん無くなってしまいます。

 

しかし、褒められたらどうでしょう。大人も気持ちがいいですよね。「今日のご飯美味しかった」と言われれば、また作ろうか思えますし、仕事でも「いつもありがとう」「資料良かったよ」等と声をかけられたら、また頑張ろうという気になります。このように、褒められると「また次も頑張ろう」と思えるのです。

 

子供も同じで、褒めてしつけると「褒めて欲しい」というポジティブな気持ちになり、その気持ちから次も頑張ってくれるようになります。やる気スイッチはお母さんでも入れることができるのです。

 

また、毎日叱ってばかりいると弊害も出てきます。普段はあまり叱らないお母さんが叱っているのをみると「ハッ」とします。しかし、叱ってばかりいると叱られる事に慣れてしまいます。慣れてしまうと、叱られても話半分で聞いてしまうようになります。

 

例えば、朝子供が起きて学校へ行くまでの間に、これでもかというくらいに子供に注意や指図をし続けているお母さんがいます。細かいことまで常にアレコレ言われれば、その細かい指示にいちいち対応するのは大変で、結果的に言う事を聞かなくなります。

 

こうなると、もう叱れば叱るほど逆効果です。普段子供に対してあまり叱らないお母さんは「これだけはダメ」というボーダーラインを自分で設けていて、叱る時には徹底的に叱ります。

 

子供の方も普段あまり叱らない、穏やかなお母さんから叱られるので驚きますし、本当にダメなんだということを感じ素直に言うことを聞きます。たまに叱る方が効果的なのです。

 

小さいうちは体全体で褒めよう

あまり叱らないで褒めてしつけることは大切ですが、ただ褒めていればいいというわけではありません。褒めるのも叱るのと同じで、上手に褒めないと効果がありません。しかし、どうにも褒めるのが苦手という親御さんが多いようです。

 

褒めることは、わざわざネタを探してでも褒めてあげてください。褒めるネタを見つけることが出来なかったからといって、口先だけで褒めても子供は喜びません。不思議なもので子供は敏感に感じ取ります。褒める時は本気で褒めると覚えてください。

 

子供がまだ小さなうち、三歳未満なら体全体で褒めましょう。褒めるネタは子供が小さければ小さいほどたくさんあるハズです。どんなに些細なことでもいいのです。「靴下を一人で履けた」「苦手なお野菜を食べた」「大人しくチャイルドシートに座っていられた」など、何でも構いません。

 

子供が出来た時には「えらかったね」「すごいね」などの言葉をかけ、ギューっとハグしてあげましょう。お母さんに褒めてもらって、ハグしてもらえたら小さい子供でも達成感を感じて、次も褒めてもらいたいと頑張るようになります。

 

年長さんや小学生は褒め方を工夫しよう

子供が小さいうちは、体全体を使ってシンプルに「自分のことが何か出来たら褒める」という事で問題ありませんが、成長するにつれて出来ることは自然と増えていきます。そうなると、どんどん褒めるネタを探すのに苦労するのではと心配されるかもしれません。しかし、そんなことはありません。褒めるネタはまだまだたくさんあります。

 

ただ一つ、もうすっかり出来るようになっていることを褒めても、子供は嬉しくありませんので注意しましょう。具体的には、自分のことについても小さい頃よりもほんのちょっと難しいことが出来た時に褒めるようにします。

 

例えば、お母さんに言われる前に遊んでいたものを片付けることが出来た時、自分一人で全部着替えることが出来た時などです。また、自分のことだけではなく、誰かの役にたった時にも褒めましょう。

 

保育園や幼稚園の年長さんになってきたら、どんどんお手伝いもしてくれるようになります。下の兄弟、弟や妹の面倒を見てくれたり、お母さんが掃除しているのを見て一緒に掃除をしてくれるかもしれません。そういった時には「ありがとう」はもちろんですが、もう一言「お母さん助かった」と付け加えてください。

 

お母さんの役に立てたことは子供の誇りとなり、この体験をたくさんすることで自分が両親にとってかけがえのない存在なのだということを感じることができます。年長さんを卒業したら、いよいよ小学生です。小学生になったら更に今までよりもちょっとだけ難しいことが出来た場合に褒めるようにします。

 

どうして簡単なことで褒めない方がいいのかというと、褒められた事で子供が傷つくケースがあるのです。ある小学5年生の男児が学校へ行けなくなり、その理由が「学校の先生に字が上手になった」と褒められたからだったのです。

 

大人は一瞬「ん?」と思ってしまうかもしれませんが、子供はいたって真剣に話しています。その男児は「字が上手になったということは、前はもっと下手だったんだ」と感じてしまい、友達の前で「恥ずかしい」と思ってしまったのです。

 

もちろん、先生はポジティブな意味を込めて褒めたのですが、子供が育ってきた環境や性格的なこともあったのでしょう。このケースでは褒めたのに子供を傷つけてしまう結果になってしまいました。

 

子供が自分でも「これはどうだろう、いけるかな、大丈夫かな」と思いながらもチャレンジしたり、努力を重ねてそれが出来た時に褒めてあげるのが一番効果的です。何かが出来た達成感に加えて親に褒めてもらえた喜び、また自分の成長も漠然とながらも感じそこでまた喜びます。

 

そういう経験をするには、夏休みの自由研究なんかはもってこいです。親は結果以外にも子供がどれくらい努力をしていたか、一生懸命やっていたかを側で見ていますから、その途中で子供を励ましたり褒めたりしてあげましょう。

 

結果ではなくプロセスを見る

小学校に行くと保育園や幼稚園とは違い、学期末に成績表なるものがやってきます。それぞれの家庭で、その成績表をめぐりアレやコレやとあることでしょう。ある子は親に見せたくないと、なかなかランドセルから成績表を出して来なかったり、ある子は帰って一目散にお母さんめがけて持って行ったり、人それぞれです。

 

しかし、その成績表に書いてある結果だけで叱ったり褒めたりしないでください。一生懸命にやってもなかなか結果が出なかったら、落ち込むのは子供自身です。そこに追い打ちをかけるように親に叱られれば、落ち込むどころか悲しい想いで、勉強が嫌いになってしまうかもしれません。

 

お母さんは子供の成績表の結果だけではなく、そこに至るまでのプロセスも分かっているはずです。そこのプロセスの部分を大切に、子供を励ましましょう。成績表のことだけではありません。ときどき何事も白黒ハッキリしていないと気が済まないというお母さんがいますが、人の行動は良い、悪いだけではありません。

 

子供がとった行動の結果だけで、叱ったり褒めたりしないでください。また、兄弟がいる場合、いつも褒められる子といつも叱られる子が決まっていませんか。いつも決まった子ばかりが褒められていると、他の子は面白くありませんし、いつも叱られる側の子からすればストレスにもなりかねません。もちろん、兄弟と比較するのもよくありません。

 

子供を叱るときのNGワード

基本のしつけは褒めることですが、褒めてばかりもいられません。子供ですから叱らなければいけない場面も多々あることでしょう。叱る時にも上手に叱ることが出来れば、褒めるよりも効果的です。上手に叱ることは難しいですが、まずは以下に紹介するような言葉を使わないことから始めましょう。

 

ケース①:困った行動

このケースのNGワードは「悪い子」「どうしてそんなことするの」です。

 

困った行動をしてしまっても、その子の人間性を否定するような言葉はNGです。子供は何が良くて何がいけないのか分からないので、お父さんやお母さん、周りの大人たちに叱られたり褒めてもらったりしながら成長していきます。

 

また、何がどこまで大丈夫なのか学びながら自己概念というものも育てていきます。自己概念とは「自己に対する概念」つまり「自分で自分はこんな子供!」というイメージです。自己概念を育てている時に、悪い子やダメな子などのネガティヴな言葉ばかりかけられていると、健全な自己概念が育たず、自分自身に価値を見出せなくなってしまいます。

 

子供に「自分は両親にとって、この社会において、大切な価値ある人間だ」と認識させるのもしつけの一環です。何かイタズラをしてしまったのであれば、その行動だけを叱りましょう。どんなに困った行動をしてしまっても、それはその子供がそれをダメだと知らなかった、もしくは分からなかったのです。その子供が悪いわけではありません。

 

例えば、「失敗しちゃったね」などの言葉を使いましょう。まずは子供を受入れ、その上で今日のことは良くなかったと伝えましょう。

 

あくまで、その日に起こった出来事について叱ります。その時に、一言子供を受入れているという言葉も付けると子供は自分は認めてもらえていると感じて安心し、その日の出来事について反省します。

 

ケース②:ミスしてしまった

NGワードは「何やってるの!」「ダメでしょ!」です。

 

子供だって好きでミスしてしまったわけではありません。それなのに、いきなり「何やってるの!」と怒鳴られては子供もびっくりしてしまいます。

 

また、いきなり怒鳴るどころか、パチンと子供を叩くような叱り方もよくありません。怒鳴られたり、叩かれたりするとその場では子供も怖いので大人しくしているでしょう。しかし、何が悪かったのか理解出来なければ、時間が経って叱られたことを忘れてしまうとまた繰り返します。

 

何がダメだったのか、どうしてダメなのか子供が理解出来るように叱るのが上手な叱り方です。「スーパーで走り回ると危ないし、他のお客さんに迷惑でしょう。だから、スーパーで走ってはダメよ」と理由を添えて叱りましょう。

 

ケース③:誰かに迷惑をかけてしまった

NGワードは「お父さんに怒られるよ!」です。

 

時々お母さんが子供に対して「お父さんに怒られるよ」とか「おまわりさんが怒るよ」と言って子供を叱っているお母さんがいます。どうしてわざわざ他の人を出すのでしょうか?

 

叱る時にはお母さんの責任で叱るようにすると、母子関係も良いものになってきます。わざわざお父さんを出さないとお母さんの言うことを聞かないようでは、良い母子関係とは言えません。

 

新幹線の中で騒いでしまった場合でも「他のお客さんに迷惑だから、騒いではいけません」と叱ればいいのです。叱るその前に、小さい子供は長時間じっとしていられません。それを見越して、子供が遊べるおもちゃを持参したりすれば、叱らなくても済みます。もし、叱る時には他の人を出さないように意識してください。

 

ケース④:何度も同じことをしてしまう

NGワードは「何度言ったら分かるの!」「前にも言ったでしょ!」です。

 

子供を大人の感覚と同じだと思っていたら大間違いです。子供は何かしたら、その場ですぐ言わないと解りません。少し時間が立ってから叱られても、記憶が曖昧でよくわかっていません。

 

また、「前にも言った」と過去の話をされても、これまた同じでよく覚えていません。効果的に叱るには、何かしたらすぐその場で、短い時間で短い言葉を使って叱ることです。長い話を子供がずっと聞けるわけがないのです。

 

ケース⑤:末っ子編

NGワードは「○○ちゃんはそんなことしない」というように、兄弟や友達など、他の人と比べるようなワードです。

 

子供だって子供なりにプライドを持っています。それなのに、「お姉ちゃんはちゃんと出来るのに…」なんて言われると子供は傷付きます。

 

子供も自分と周囲を比べて自己概念を育てています。同じ個性を持った子供は一人としていないのですから、優劣をつけるような言い方、他の子供と比べるような叱り方はよくありません。「自分は劣っているのかも」と思うと子供はとても悲しい思いをするでしょう。

 

ケース⑥:暴力をふるってしまった

NGワードは「そんな子はうちの子供じゃない」「そんな子はお母さん嫌い」です。

 

ものを壊してしまったり、お友達を突き飛ばしたり、叩いてしまったり、暴力的な行動はよくありません。よくありませんが、よくないという意識だけが先走っているのか、子供に対してついついお母さんも良くないワードを使って叱っているのを見かけます。

 

もちろん、子供のことを本気で嫌いになんてならないでしょうが、子供はそうは思いません。子供は言葉の通りに受け取ってしまうものです。

 

これは、子供からすると大きなショックです。お母さんのことが大好きなのはもちろんですが、子供は親に嫌いと言われても家にいるしかないのです。それを分かっていて、「出て行きなさい」「うちの子じゃない」なんて言葉を使うのは卑怯です。

 

小さいうちはまだ良いですが、そんなことを続けていては、将来本当に子供が家出してしまいますよ。「そんなことしてはいけない。私の大事な子供なのよ」と叱ってください。

 

ケース⑦:ママのマネをしたがる

NGワードは「余計なことしないの」です。

 

子供は大人のマネをしたがりますが、特に大好きなママの行動は見ています。一生懸命にお手伝いをしようと思っても、大人のように手足を動かせないので、うまく出来ません。

 

子供がママを喜ばせようと思ってやったことでも、結果的に失敗してしまいママの仕事が増えてしまうこともあるでしょう。そんな時に反射的に「何やってるの!」とか「もう、余計なことしないで!」なんて言っていませんか。結果的に失敗しても、元はママを喜ばせよう、お手伝いをしようというポジティブな気持ちからの行動です。

 

そんな時には「ママのお手伝いをしようとしてくれたの?ありがとう」と言いましょう。そして、どうして今回失敗してしまったのか一緒に考えるようにします。こうすると、子供のヤル気を損なわずに済みます。

 

ケース⑧:ワガママモードなとき

NGワードは「今日だけ」です。

 

子供がワガママモード全開の時、いつも叱るポイントやタイミングは同じでしょうか?同じことをして、叱られる日とそうではない日があると子供は混乱します。

 

「これはしたらいけない事」とか「ここまでならギリギリ叱られない」というのは、子供は何度も繰り返し経験して覚えていきます。それなのに、日によって違うと子供は覚えることも出来ず、しつけも定着しません。

 

これは、お父さんとお母さんでしつけの認識を合わせていなければ、お父さんだと叱られる事、お母さんだと叱られる事というようになり、これもまたしつけが定着しません。お父さんとお母さんのしつけの認識を合わせる必要はありますが、二人一緒に叱ることのないように注意しましょう。子供にもエスケープ先は必要です。

 

また、「今日だけ」と言って例外を作ってしまうと、ズルズルとそのまま崩れてしまう可能性もあります。子供に「どうして昨日は良くて今日はダメなの?」と言われたら、きちんとした答えを出せますか?

 

ケース⑨:宿題をしなかったとき

NGワードは「なぜ?」「どうして?」という疑問系の言葉です。

 

宿題を忘れた時などに「どうして?」と言われても答えるのは大人だって難しいでしょう。しかし、お母さんたちは子供が黙っていると「なんで黙っているの?」とまたもや疑問系でたたみかけます。これに答えられる子供はいないでしょう。

 

会社でも何かやるべき仕事をうっかり忘れてしまっていたとき、上司から「なぜ」「どうして」の言葉を使って叱られても答えられないでしょう。忘れてしまった事についてあれこれ言われてもしょうがないのです。また、会社ではこのような叱り方をしていると、質問ではなく詰問だと認識されパワハラだと指摘されかねません。

 

では、どうすればいいのか。忘れてしまった事実については「忘れちゃったの」などと事実だけをさらっと話します。そのあとに「次から忘れないようにするには、どうしたらいいと思う」と今後について話を持っていきます。

 

今後の話であれば子供もたくさん自分なりの意見を言えますし、今後の対策にもなり、一石二鳥です。

 

ケース⑩:超マイペースな子供編

NGワードは「ダメ」とか「のろま」などの否定的な言葉です。

 

子供の中には他の子供よりも少しゆっくりな子供もいます。朝の忙しい時などに、超マイペースに行動しているのをみて「だからダメなのよ」とか「いつまでそうしているのよ、グズ」なんて叱り方をしていませんか。

 

否定的な言葉、特に人を罵るような言葉を使って叱るのはよくありません。子供はこれからどんどん成長して、いろいろな可能性を秘めています。それなのに、毎日ネガティブな言葉をかけられていると、子供の心までネガティヴになってしまいます。

 

毎日ポジティブな言葉をかけられたり、周囲からの期待を感じて成長すると、その子供はその期待に応えようとどんどん伸びていきます。子供がいつも明るく天真爛漫でいるには、周囲の大人たちがかける言葉はとても大切です。

 

まずは子供を観察して、どうして行動が遅いのか、時間がかかるのか観察してみる事から始めましょう。原因を特定しなければ効果的な対策も立てられません。もしかすると、一つ一つを丁寧にやろうとしていたのかもしれません。

 

原因が分かったら、まずはその点を褒めて、褒めたあとにもう少し早くするにはどうすればいいのか一緒に考えましょう。建設的な叱り方をすれば、子供も傷つかなくて済みます。

 

ケース⑪:お母さんの話を聞かない

NGワードは「あなたのためを思って」「あなたのために」です。

 

こんなことを言う時には、きっと子供がお母さんの話を聞かなかったときなどでしょう。それに、きっとお母さんは本当に子供のことを思って叱っていると思います。

 

しかし、子供だって「あなたのために言っているのよ」なんて言われると「恩着せがましい」と思ってしまい、素直に反省できません。反発してしまう子供もいるでしょう。子供が成長すればするほど、使わない方が良い言葉です。

 

ケース⑫:「らしく」を強要しない

NGワードは「男の子なのに」「女の子のくせに」です。

 

「女の子らしくしなさい」とか「男の子らしくしなさい」などとお父さんやお母さんの世代は言われたことのある方が多いでしょう。

 

男の子と女の子では確かに性別は違いますから、全く同じようにすることは難しいかもしれません。しかし、例えば、男の子だから家のお手伝いはしなくていいとか、女の子だからお手伝いをしなさいというのはおかしな話です。お手伝いは男女関係なく、積極的にしてもらっていいはずです。

 

女性は成長し社会に出ると、女性ということで悔しい思いをすることも今の日本ではあるでしょう。しかし、残念ながら「らしく」という育て方をすると、差別をする側の男の子ができてしまうのです。

 

最近は、ジェンダーフリーという考え方があります。今までよりももっと多様な個性を持った人たちと出会うことでしょう。子供の前で差別的な言動をしていないか、少し振り返ってみましょう。

 

本当にその常識は正しいですか?

三歳未満でも体罰はしない

「体罰は良くない」というのは誰でも同じ意見だと思います。しかし、それが「しつけの一環として」ということになると、意見は様々です。小さいうちなら体罰もあり、効果的に使う場合にはありなどの意見もあれば、何があっても体罰はしないという意見もあります。一度も子供に手を上げずに育てたお母さんだっているでしょう。

 

お母さんたちも出来れば子供に手をあげることなく育てたいでしょう。しかし、言葉でコミュニケーションもままならない三歳未満の子供だと、言葉で言い聞かせるのが理想だと分かってはいても、ついつい手が出てしまう、というのが現実です。

 

しかし、小さい赤ちゃんであっても、お母さんが怒っていれば分かります。小さい時から叩かれて育った子供は、最初は少し叩けばいうことを聞いていても徐々に同じ強さで叩いても言うことを聞かなくなってきます。そうすると、親もどんどんエスカレートしてしまうのです。

 

体罰はエスカレートしてしまうことが何よりも怖いことです。三歳未満であっても、体罰はしないにこした事はありません。

 

「つい」はなかなか治らない

お母さんも「体罰は良くない」と思っています。例えば、三歳になったらもう叩かないと決めていても、普段から叩いてしつけをしていると実際にはすぐには治りません。「ついつい」手が出てしまうでしょう。

 

叩くのは良くないと思ってはいても、ついつい癖で手が先に出てしまうのです。子供もお母さんが怒ったら叩かれると思っていますから、今さら言葉で言い聞かせようとしても大変です。結果的に叩かれるという痛い思いをしないと、お母さんのいうことを聞かないのです。

 

保育園や幼稚園で友達を突き飛ばしたりする子供のお母さんに話を聞くと、ほとんどのお母さんが小さいときに叩くなどの体罰をしていたと言うのです。乱暴な子供のお母さんが、みんな体罰をしていたのかというと、そうではありません。しかし、親に体罰を受けて育つと暴力をふるうようになる可能性が高いということです。

 

体罰を受けずに育った子供は、叩かれるという経験はそうそうありません。しかし、体罰を受けて育った子供は、それが日常なので珍しいことではないのです。暴力が日常になってしまうことは良くありませんし、何より怖いことです。

 

暴力は心も蝕む

最近は学校での体罰や、生徒が先生に暴力をふるうような事件が問題になっています。学校やその問題を起こした生徒だけが悪いのではなく、その親にも責任があるでしょう。暴力を否定せずにしつけをしてしまったのかもしれません。

 

学校の先生が「言うことを聞かなかったから」という理由で、生徒に体罰をするというのは、口で言っても聞かないから力で無理やり言うことを聞かせるということです。これが家でも行われているなら、理由はどうあれ「力づくでも従わせる」ということです。

 

そうなると子供は成長した時に「暴力」を「暴力」とは思わなくなっています。力の論理を実体験しているからです。実際に、親に暴力をふるう子供の多くは、親から体罰を受けて育った子供です。

 

まだ子供が小さいからと言っても人ごとではありません。幼児期や小学校低学年というまだまだ幼児のうちに、親がどうしつけをしたのかによって、その後どのように成長するか決まってしまうのです。

 

時に暴力は子供の心にも傷を負わせます。そして、その傷は大抵の場合、子供の心の奥深くにずっと留まり続けます。自分が親になった時に同じことをしないだろうか、と今から不安を抱える子供もいます。もし体罰をしているなら、一刻も早く体罰のないしつけに切り替えてください。

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