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高血圧の子どもが増えている?

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高血圧の子ども

最近、子どもの中から高血圧になっているケースがかなりの割合で見つかり始めています。子どもの間で高血圧が増えてきているのか、それともまた違った要因があるのか、少し見ていきましょう。

 

見逃されてきた子どもの高血圧

日本では子どもの血圧は正常であるのが普通だと考えられていたため、学校で行われる健康診断などでもそもそも測定自体が行われておらず、今まできちんとしたデータが蓄積されてきていません。ところが最近高血圧になっている子どもが無視できない割合で見つかっており、治療の必要性があるにも関わらずそうした状況が把握されていないのではないかと指摘されています。

 

子どもの高血圧について調べた研究からは、本態性高血圧(原因不明で、遺伝因子と環境因子が発症に関係すると考えられているもの)である子どもは小学生・中学生では全体の0.1%~1%ほど、高校生ではおよそ3%ほどいるという結果が得られています。

 

また、以前中学生のころに血圧を測定した記録があった人たちに対して20年後に追跡調査をしてみたところ、中学生の時には血圧に問題が見られず現在は高血圧になってしまっている人の率は4.9%となりましたが、中学生のころから高血圧だった場合に現在も高血圧である人の率は20.5%と明らかに高くなっているという結果が得られました。

 

このことから、子ども期に高血圧であった場合、成人してもそのまま高血圧のままになってしまう可能性がかなり高いということが分かってきたのです。

 

高血圧は、メタボリックシンドロームの一角を担っており、肥満、高脂血症、糖尿病と合併することで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険性が高まるとされています。つまり、子どものうちから高血圧であるということは、そうでない人に比べて長期にわたって命の危険にさらされているということになります。

 

高血圧は生活習慣病であるともされており、肥満との関連性が大きいとされています。子どものころから食事に気をつけ、運動をきちんと生活に取り入れることで肥満を防ぐようにすれば、高血圧になってしまう危険性はぐっと減ってきます。

 

いずれにしても、より早い段階で血圧を測る機会を設け、子どもの時期から血圧に問題を抱えている人を早く見つけ出すことが重要になってきます。

 

子どもの高血圧は増加してきているのか?

学校の健康診断で血圧測定が行われていないため、子どもの高血圧が具体的にどの程度存在するかという調査を困難にしている現実があります。

 

そんな中、新潟大学の医学部では、県内の見附市に協力を求め、市内の小学校・中学校の生徒1000人を対象とした血圧測定を行っています。この取り組みは平成10年以降毎年行われており、子どもたちの血圧に関するデータ蓄積が不足している中では注目すべき取り組みであると言えます。

 

これよりも昔に行われた別の調査から、子どもの場合の高血圧の基準として例えば中学生男子では140mmHgといった数字があげられていますが、見附市で実際に行った測定の結果から求めた基準は130mmHgとなり、それまで言われてきたよりも低い数値が算出されました。

 

これだけ見ると子どもの血圧は下がっているのかと考えてしまいがちですが、見附市で行われた調査の際には、血圧の測定は3回行って一番最後に測定したぶんの数値を記録に残すという測定方法が採られています。このやり方をした場合、血圧の値が低くなりやすいため、基準が下がったからといって子どもの血圧も下がっているとは言えないといいます。

 

高血圧の発症に肥満が深く関わっているのは間違いがなく、日本の子どもの肥満は、ここ10年は横ばいもしくは減少傾向ではありますが、中長期的に俯瞰してみると増加傾向にあることから、高血圧も増加していると捉えたほうが自然と考えられています。そうした傾向があることを念頭に置いた上で、学校健診の場などで血圧を測る習慣を拡大し、広くデータを集積して子どもの高血圧を見つけていくようにすべき段階に来ていると思われます。

 

定期的な血圧測定が重要

子どもだから高血圧なんてあるわけがない、と油断せず、早めに症状の芽を見つけて行くには、定期的に血圧を測定する習慣を付けることが大切です。そのためには学校任せにせず、市販されている家庭用の測定器を利用して家庭でも子どもの血圧に関心を持つようにすることが大事になってくると言えます。

 

市販されている血圧測定器のうち一般的なタイプは、腕や手首に器具を取り付けて測定する形になっていますが、高級なものになると指一本だけを入れることで測定できるような商品も売られています。製造しているメーカーも数社有り、いずれも5000円程度の価格で販売されています。

 

血圧を測る、と簡単に言いますが、実は正確に測定することは結構難しいものです。これは、血圧というものが測る状況によって大きく数値が変わってくることがあるからです。極端な例としては、病院に行って医者や看護師を前にすると緊張し、それで血圧が上がってしまう「白衣高血圧」という現象も起きるほどで、ゆったりとした状態で正しい手法で測定することが大事になってきます。

 

その点、自宅で気軽に測定できることにはメリットがあります。また自宅での測定は手軽に行うことができるため、できれば週に1回程度継続して子どもの血圧を測定し、高血圧が隠れていないかをチェックするようにするといいでしょう。

 

子どもの血圧を測る際に注意すべき点があります。それは測定した子どもの血圧の値が高いのか、それとも低いのかをどう判断するかです。子どもの血圧の高低を判断する際には大人の基準は使えません。子どもの血圧の正常値については日本高血圧学会が発表してる基準がありますので、そちらと比較をすることになります(最新の基準値は以下参照)。そして異常な数値が継続して出るようであれば医療機関を受診することも必要です。

小児の高血圧基準

 

このように子どもの血圧測定は隠れた高血圧症状を見つけ出すなど非常に大切なことですが、中には小児科医にかかっても血圧を測らないような場合が見られるといいます。この点、小児科医にも意識をしてもらい、子どもでも血圧に問題のある場合がありうるという考え方を広めていく必要があると思われます。

 

もう一つの小児高血圧

子どもの高血圧には、生活習慣や肥満などによって起きてくると考えられている本態性高血圧の他に、器質的疾患などから起きる二次性高血圧が存在します。血圧が収縮期で200mmHgになるような極端な数値が出るようであれば、この二次性高血圧があるのではないかとみるべきです。

 

二次性高血圧が多く見られるのは新生児や乳児といった時期です。この高血圧は本態性高血圧とは違って頭痛その他の自覚症状も出ることが多いのですが、新生児や幼児は自分の体のそうした不調を周囲に上手に伝えることができません。

 

高血圧による頭痛などがあっても「頭が痛い」と言うこともできず、不機嫌になったり泣いたりするぐらいしか表現方法がないのです。このため周囲が気づくのが遅れ、気づいたときにはかなり症状が重くなっていた、などということも多々あります。

 

子どもの高血圧の傾向として、年齢が低いほど、あるいは血圧が高いほど二次性高血圧である可能性が高くなってきます。このため子どもの状態には常に気をつけ、血圧にも注意を払っておくことが大事になってきます。

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