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子どもに効果的に学ばせるには何を拠り所にすればよいか?

ママ友会話

ママ友どうしで話をしているとき、子どもの学びに関する情報交換をしているような親は多いと思います。そこで「ここの教室はすごくいい」という情報を耳にすれば、自分の子どももそこで習わせようかと心が動くもの。しかし、ちょっと立ち止まって考えてみた方がよいかもしれません。

 

ママ友情報に振り回されない

子どもを送迎した後に、あるいはお昼時に、お母さんたちがおしゃべりをしている姿がときおり見かけられます。お母さん同士おしゃべりをすることで毎日大変な子育てや家事のためのパワーを得ているのでしょう。

 

お母さん同士のおしゃべりそのものはいいとして、そういった場面でどんなことを話しているでしょうか。女性の間でのおしゃべりは話題があちこちに飛びがちですが、中でもお互いお母さん同士ということで、いきおい子どもに関する話題が多いと思います。

 

子どもに関する話題と一口に言っても内容はさまざまで、特に子どもがまだ小さいうちは子育ての大変さや日頃悩んでいることを話し合うようなことが多いかもしれません。そうした会話を通してストレスを軽減できるのであればそれはたいへんいいことです。

 

子どもがもう少し大きくなって小学校に上がるぐらいになると、こうした話題の内容もだんだんと変わってきます。子育ての悩みなどに変わって増えてくる話題は、子どもをどんなふうに教育するかといった話題や、子どもの教育に役立つ情報交換ではないでしょうか。家で使っている教材や、塾や習いごとに関する話などについての話題です。

 

子どもも大きくなってきたのでそろそろ習いごとをさせたいと思っていたり、あるいは通わせる学習塾を探したりしようと思っても、では具体的にどこの教室や塾を選べばいいのか分からないことは往々にしてあります。そして、自分の子どもにとっていい塾や教室がどこにあり、そこにはどんな先生がいてどんなカリキュラムを組んでいるのか……こうしたことがよく分からないときには、すでに子どもをそうした塾や教室に行かせている知人からの口コミ情報が一番であるとよく言われています。

 

日々のおしゃべりの中でこうした塾や習いごと教室の話題を出せば、どこそこの塾は質がいいであるとか、どこそこでピアノ教室を開いているあの先生は教え方が上手だとか、ここの塾に行かせたらこんなに成績が伸びたとか、いろいろと役に立ちそうな情報が出てくるものです。あるいは、子どもが勉強しないとか習いごとが上達しないという愚痴をちょっと言っただけで、おすすめの塾や教室の情報を事細かく教えてくれるような親切なお母さんもいます。

 

こうした周囲からの情報を聞いてもそれを一切考慮に入れない、という方は少ないのではないでしょうか。一般的には、そうやって入手した具体的な情報を価値あるものと位置づけているお母さんが多いでしょうし、実際に利用してみた人からいい評価を受けているところに自分の子どもも通わせてみようか、と考えたくなるのは当たり前だと思われます。

 

このように、お母さん同士のおしゃべりの中で聞いた話はつい参考にしてしまいたくなるところです。しかし、そういった話を聞いて、そこの塾や習いごとに通わせないと損をするかも、と感じたようなときこそ、まずはいったんブレーキをかけてほしいと思います。

 

自分が自分の子どもを塾や習いごと教室に通わせたという話題を聞くのではなく、他人に話す側になった時のことを考えてみて下さい。そういったときに、うまくいった事例とダメだった事例、どちらを話すでしょうか。ある塾に行かせたけれどもまったくダメで逆に成績が悪くなってしまった、であるとか、習いごとをさせたけれどもまったく身につかず、月謝をムダにしてしまった、などといったことはあまり話したくないのではないでしょうか。

 

普通、そういった失敗例よりも、こんな習いごとをしたら子どもが落ち着きを持つようになった、であるとか、ある塾に通い出してから成績が上向きになった、などといった成功例のほうを話したくなるものです。

 

自分がそうなのですから、他人もそうだと考えるのが自然です。つまり、お母さん同士の話題で出てくるそうした事例はうまくいった例の場合が多いということです。そしてそこにこそ落とし穴があります。ある家庭の子どもにとってうまくいったからとって、それが必ずしもすべての事例に当てはまるものではないということです。

 

大事なのは自分の子どもの傾向をつかむこと

そんなの当たり前だ、という声が聞こえてきそうですが、それでも目の前で身近な人から成功体験を聞かされれば、じゃあうちの子もそこに行かせてみようかな、と考えてしまいがちになります。バイオリンを習わせると情操教育にいいと耳にしたらバイオリンをはじめさせ、そろばんは頭が良くなると聞けばそろばんに……といった具合で、子どもの興味関心とは無関係に、次から次へと習いごとをあてがうようなことになるかもしれません。

 

そういうやり方でも、あてがった習いごとの中にたまたま子どもの興味と一致するものがあり、また塾や教室の雰囲気、あるいは先生との相性が良くてうまくいくケースにあたればいいでしょう。しかし不幸にしてそうならなかった場合に、皆ちゃんとできているはずなのに、この子だけどうしてダメなの? となってしまいかねません。

 

子どもの個性は千差万別です。したがって、習いごとや塾で教わる内容、あるいは雰囲気や指導者との関係性などにより、どうしても合う合わないといったものが発生します。極端なことを言えば、10人中9人に効果がある教室があったとしても、最後の1人にとってはまったく合わない、といったことも考えられるわけです。そして自分の子どもがその1人にならないという保証はありません。

 

仮に多くの人からそこの塾や教室がいいという体験談を聞かされたとしても、保護者はそれを冷静に分析し、はたしてそこは自分の子どもにあうところなのか、という視点を持って判断することが必要になってきます。そしてそのために一番重要なのは、他のお母さんからたくさん情報を集めることではなく、自分の子どもをしっかりと観察し、その傾向をきちんと把握していることです。それこそが子どもの学習を考える上での最もベースになる部分なのです。

 

少し前までの時代とは違い、最近ではネットの発達もあって塾や教室の雰囲気などを事前につかみやすくなっています。何もお母さん同士の会話から入ってくる情報だけが頼り、といった時代ではなくなっているということです。情報はいろいろな手段で集めることができるわけですから、まずは自分の子どもをきちんと観察し、どういったものがあっているのかをしっかりと把握もしくは考えることからはじめて欲しいと思います。

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