facebook Twitter はてなブログ feedly

ちょっとした工夫で子供が自発的に勉強に取り組む!

勉強している子供

子供を持つ親なら、「遊んでばかりいないで、進んで勉強をしてくれればいいなぁ」と思われる方は多いでしょう。勉強は「やらなければ落ち着かない」と言うように、習慣化してしまえば自発的に取り組めます。また、子供のモチベーションを維持する為に、小さな進歩に着目して子供を褒める事が大切です。

 

それでは、どうすれば子供が自発的に勉強に取り組めるようになるのか、具体的に見ていきたいと思います。

 

環境は勉強に影響を与える

勉強が出来るようになるためには、習慣にしてしまうことがとても大切です。コツコツと毎日勉強をすることにより、勉強の成果が表れるので、続かなければ何の意味もありません。そして、子供が毎日勉強に取り組めるように、親はいろいろ方法を考える必要があります。

 

例えば、中国の儒教の学者・孟子の母は、子供が勉強をするために、最適な場所を探し3度引っ越しをしたという話があります。

 

孟子家族は、元々は、お寺の近くに住まいがあったそうです。しかし、子供がお葬式のまねごとをするので良くないと思い、賑やかな市場の近くに引っ越しをしたそうです。すると今度は、物を売り買いするまねごとをして遊んでしまったそうです。

 

そこからヒントを得た母親は、学校の近くへ引っ越せば勉強のまねをし、遊びながら勉強をする最適な場所ではないかと思い、学校の近くに引っ越しをしました。

 

思った通り子供は、学校で教えている礼儀や、字を書く遊びを始めたそうです。母親はこの場所こそ、住むのにふさわしい場所と思い、住まいを構えました。

 

これは、「孟母三遷(もうぼさんせん)」と言って、環境が子供の勉強に及ぼす影響があるという教えです。

 

努力を無駄にしないためには、続ける事が大切

「継続は力なり」という言葉があるように、勉強を少しずつでも続けることはとても大切です。先に、孟子を例に出しましたが、こんなお話も残っています。

 

ある日、孟子は勉強が進まないことに嫌気がさし、家へ帰ってきたことがありました。母親は孟子に、勉強が進んでいるかと尋ねました。「学業がはかどらず、進歩がない」と答えると母親はそれまで織っていた織物を、刀で破り割いてしまいました。

 

「この織物と同じで、中途半端なまま終わってしまっては、学者を志しているお前は将来立派な学者になれるのだろうか?中途半端なまま辞めてしまうことは、これまでの努力を無駄にしてしまうことだ」と諭したそうです。

 

母親の言葉に気付かされた孟子は、その後熱心に勉学に励みました。継続して続ける事の大切さを教えたこのお話は、「孟母断機(もうぼだんき)の教え」と言われています。

 

子供へ「勉強、勉強」と言うのは、反発心を生み逆効果になると思われるかもしれません。しかし、子供に勉強をさせるには、何も言わない無関心な家庭よりも、関心を持っている家庭の方ベターです。

 

「勉強をしなくてもいい」と思っている子供はおそらくいないでしょう。しなくてはいけないけれど、勉強する気分にならない。テレビやゲームに逃げているのならば、親が「勉強をしなさい」と注意し、気持ちを切り替えさせます。そのまま、親が無関心で何も言わなければ「このまま遊んでもいいや」と思ってしまうでしょう。

 

勉強は何もしないより、少しでもした方がいいわけで、親も言わないよりも、言ったほうがいいのです。

 

しかし、毎日「勉強、勉強」ばかりでは、言う方も、言われる方も気分が滅入ってしまうので、お互い気持ちよく過ごす為にも、勉強する環境を整え、習慣になるように身に付させる必要があります。

 

「かたち」を身につけると勉強効率がいい

子供が勉強を始める前に、基本となる「かたち」を身につけてあげましょう。「かたち」とは、座る姿勢や鉛筆の持ち方の事です。きちんと座れず、足を延ばし背中が丸まっていると、集中することが出来ません。正し姿勢で座ると、長い時間座っていても疲れませんし、集中して勉強をすることが出来ます。

 

鉛筆の握り方も大切です。間違った握り方をしていると、思うように鉛筆を動かせず上手に字が書けなかったり、手が疲れてしまったりします。そうなれば、勉強に集中できません。

 

スポーツに例えると一目瞭然でよくわかります。テニスなら、間違ったラケットの握り方をしていると力が入らず落としてしまいます。フォームも基礎が出来ていなければ、自分の思う方向へボールを打ち返すことは難しいでしょう。スポーツも勉強も「かたち」を身につけることが上達への近道です。

 

集中力を維持させるためには、正しい姿勢で座る習慣をつける

勉強を長く続けさせる為には、正しい姿勢で座らせる事が大切です。基本となる座り方は、骨盤をきちんと立て、肩の力を抜いて背筋をのばします。頭の上から一本の糸で引っ張り上げられているイメージで、背もたれには寄りかからないように腰かけます。

 

姿勢を正すのは、体に負担を掛けずに長い時間座ることができて、意識がはっきりし、集中出来るからです。しかし、姿勢ばかり気にしすぎると、かえって集中が出来ないので、本人がリラックスして姿勢を正して座っているようであればあまり細かく注意しなくていいでしょう。

 

必ずしも、椅子にもたれてはダメ、背筋をまっすぐ90度で座らなければいけないということではなく、長い時間集中して勉強するための訓練なので、細かくこだわる必要はありません。本人の楽な姿勢で、継続して座れるようであれば良しと考えましょう。

 

子供が小さいうちは、長時間座っていることは難しいので、短い時間から練習をスタートします。食事の時間や、パズルをしいる時間などでもいいでしょう。

 

「続けてきちんと座れるかな?」とゲーム感覚でスタートするのもお勧めです。長くきちんと座れていたら褒めてあげます。また、姿勢が崩れて来たときは、集中力が切れてきているサインでもあります。

 

きちんと座れているか注意を促し、自分で正しい姿勢に座り直すように訓練する事も大切です。始めからきちんと座ることは難しいかもしれません。しかし、勉強をするための準備になるので、根気よく続け、時間が伸びてきたら、評価してあげましょう。

 

正しい鉛筆の握り方には利点がある

次に大切なのは、鉛筆の握り方です。字を書ければ、大丈夫と思われるかもしれませんが、正しい鉛筆の握り方をしていないと、きちんと字が書けず力が入りすぎたり、入らなかったりします。鉛筆が思うように動かせず、疲れて手が痛たくなっては集中できません。

 

正しい握り方は、疲れずに長く書け、速く書ける利点があります。大人になってから正しい持ち方に修正するのは容易ではありません。子供が小さいうちに、正しく握れるよう訓練し定着させてあげましょう。

 

始めは書くスピードが遅くても、正しい鉛筆の握り方を練習させた方が、長い目でると効率があがります。

 

紙と鉛筆の角度は目安として40~60度程度です。親指と中指の爪の生え際(根もと)で鉛筆を挟み、人差し指は鉛筆が落ちないように支えるイメージで添えて持ちます。残りの指は軽く丸めて、小指で紙を軽く押さえるようにします。

※詳しくは「正しい鉛筆の持ち方と矯正の方法」を参照ください。

 

ある程度正しい持ち方で書くのに慣れてくれば、スピードを上げて書く練習をしていきます。例えば、時間を20分と決めて、漢字練習や算数の計算問題を解く練習をします。

 

漢字の練習は、繰り返し書くことで難しい漢字を覚えられますし、計算問題であれば、数をこなすうちに計算スピードが上がり、解ける問題数が増えて面白くなってくるはずです。そうなれば、勉強をする達成感や面白みが出て、本人のやる気につながります。

 

頭の回転と手のスピードを合わせる

速く書くことは、勉強をするうえでとても大切です。ゆっくり書いていると、処理スピードが落ちてしまいます。指先と頭の回転には、深いつながりがあり、連動しているとも言われます。頭の回転が速くても、手がその速さに追い付けずにいるのであれば、回転スピードが緩やかになってしまいます。それでは「もったいない」ではありませんか。

 

指先を使う、ピアノやそろばんを得意とする人は頭の回転が速い傾向にあります。ピアノなら楽譜を見ながら瞬時に演奏し、そろばんも、数字を指先でコマを弾いて計算していくので、どちらも物凄い練習を重ねています。

 

ピアノもそろばんも出来れば勉強もできる!とは言い切れませんが、どちらも頭の回転が速いことには間違いありません。ですから、そのスピードは試験の時など、ここぞという場面で力を発揮しているはずです。頭の回転の速さに手が付いていけるように、手を動かす練習はとても重要です。

 

メモがとれると話の要点もわかる

手を早く動かすことに慣れてくれば、「大切なこと」や「気になったこと」をノートの端にメモをとる習慣をつけさせましょう。

 

人間の記憶はあいまいで、その日「覚えた」と思っていても、翌日には約七割忘れてしまうというデータがあります。メモを見れば、「このメモを書いた時、先生は何といっていたかな?」と、話していた授業内容を思い出す為の記憶のヒントになります。

 

もう一つメモをとる理由として、意識を集中しなければ書くことができません。メモをとるには、聞いたことを記憶して、すばやく書く必要があります。だらだらと書いて、授業についていけなくては元も子もなくなります。

 

メモをとる訓練をしていれば、少しずつ先生が伝えたい重要な要点(キーワード)のみメモできるようになります。授業中に「ここが大事だ」「テストに出そうだ」と思ってメモをとり、教科書にマークが出来ることは大切です。メモをとることも勉強の基本「かたち」となります。

 

声に出して、耳で覚える

赤ちゃんは、耳にする言葉を吸収し覚え、蓄積されることで、自分のものになり言葉を話せるようになっていきます。従って、例えば、幼いころに教養にあふれた古典文学に触れさせると、発音の技術やリズム、美しい言葉のシャワーを浴びせることができます。

 

江戸時代ごろ、盛んに行われていた「素読」という勉強方法があります。今でいう暗唱ですが、江戸時代ごろに実践されていた「素読」は、儒教の代表的な四書(「大学」「中庸」「論語」「孟子」)などを、声に出して暗唱させたもので、今の時代に学習する暗唱よりも、ずっと高度で質の高いものでした。

 

ノーベル物理学賞を受賞された湯川秀樹氏の著書「旅人―湯川秀樹自伝」の中に、「意味も分からず、祖父の漢籍の素読に続いて復唱していただけで、知らないうちに漢字に親しみ、大人の書物をよみ出すとき、抵抗が全くなく将来の自分の糧になった。」と述べられています。

 

幼少期に「素読」の実践をお勧めするのは、力のある言葉を繰り返し声に出していると、言葉が自分のものになってくるからです。子供の頃に理解が出来なくとも、大人へ成長した時、先人の言葉を理解し共感できたなら、教養としてきっと役立つはずです。

 

勉強のモチベーションを上げるためにすること

親は褒めて子供をのばす

進歩が目に見えると、子供もやりがいが出てきます。子供に成長が見えたら、必ず褒めてあげましょう。どんなに些細なことでも構いません。

 

「昨日よりも長く座って勉強できたね。」「前に出来なかったところが、できるようになったね。」褒められると、次も褒めてもらえるよう努力します。毎日少しずつ積み重ねるためにも、「褒める」言葉をかけてあげることが、子供のモチベーションへとつながります。

 

勉強時間の長さに決まりはありませんが、成長と共に時間を伸ばしてあげることは、これだけできるようになった!と子供の自信につながります。勉強時間を伸ばすのではなく、勉強のスピードを上げる方法もあります。

 

漢字の書き取りや、簡単な計算ドリルを正確に、早くこなしていく方法です。この勉強方法は、毎日「決められた量(同じページ数や問題数など)」を勉強する方法です。

 

また他にも、数をこなす勉強方法もあります。こちらは、時間を決め、「解けた問題数を記録する」方法です。どちらも慣れてくればスピードが上がるので、自分の進歩をすぐに実感できます。

 

子供の進歩が見えたら「前よりも早く、沢山の量が解けるようになったね。」など子供の成長に着目して褒めることが大切です。子供たちがチャレンジしたくなるような方法を見つけて、目標は手の届くものにしましょう。手の届かない大きな目標よりも、小さな目標を沢山クリアしていく方が、自信となります。

 

難問が解けた時や、テスト結果がよければ、誰でも気分がいいものです。勉強をした成果が目に見えて表れると、「自分ならできる」と向上心が湧いてきます。目標の達成を味わうことは続ける為のモチベーションへつながります。

 

リビング勉強のススメ

自分の勉強部屋があって、そこに自分の勉強机があっても、リビングで勉強する子供(特に小学生)は多いようです。

 

小学生ぐらいの年代は、自分の部屋で一人勉強していると落ち着けないため、家族のいるリビングで勉強をする子が多いようです。図書館など、少し人の動きがあり、人の目のある場所の方が集中できるという人もいます。中高生で、試験前になると図書館へ足を運ぶのは、このためだと思います。

 

もし子供が勉強部屋でなく、リビングで勉強したいようであれば、「ここで勉強してもいいよ」と声を掛けてあげるのも良いと思います。家族が傍で見守っていてくれる環境は、安心感を与えますし、寂しさもありません。

 

分からないことがあれば、食事の支度をしている最中でもすぐに声を掛けてあげることが出来るので、リビング学習はメリットがたくさんあります。

 

ただし、リビングで勉強する際には、部屋の照明とリビングテーブルと椅子の高さに気を付けましょう。姿勢が崩れ、集中できなくては元も子もありません。

 

子供が成長し、一人で静かに勉強したければ、自然と自分の部屋へ移動するでしょう。それまでは、子供が希望するのであれば傍にいて、勉強をみてあげることができる環境の方がベターです。

 

結果へつなげるに為には、小さな積み重ねを大切にする

平均引退年齢30歳前後が多い中、記録を作り活躍し続けているイチロー選手の言葉に、「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」というのがあります。勉強も同じように、毎日の積み重ねが結果につながるものです。

 

将棋界の羽生善治氏は、以前このように話されています。「対局は、長い時間集中しなければいけない苦しい時間だ。私にとって、それが日常なので慣れるしかない。自分自身を裏切らない姿勢が、未来の結果として現れる。」

 

羽生氏が言う「日常」とは、面倒と思う気持ちよりも、それをしないと落ち着かない気持ちになる事です。苦しい時間を日常にしてしまう事は、すごいことです。

 

昨日は調子よく3時間勉強できたけれど、今日は全くしていない。これでは、成果には現れません。勉強は短い時間でも毎日コツコツ積み重ねてすることが基本です。

 

続ける事は容易ではありませんが、面倒と思う気持ちに打ち勝ち、生活リズムに取り込むには、工夫と共にそばにいる親の応援が必要です。勉強は積み重ねです。それこそが結果へつながる道です。

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用しています。

このページの先頭へ