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ご飯の友「漬物」が持つ偉大な働き

漬物とご飯

和食の基本といえば、まずはご飯です。そしてそれに添えるものとして味噌汁は必需品です。さらにもう一品付け加えるなら、断然漬物と言えます。なぜかというと、漬物には私たちの体の中で、とても良い働きをしてくれるからです。漬物の持つ偉大な働きについて見ていきましょう。

 

歴史ある漬物は体に良い

「子供には漬物をあまり与えるべきではない。塩分の摂りすぎになるから」という考え方を持っているお母さんが、意外に多いのに驚かされます。もちろん、塩分の摂りすぎは問題です。だからといって塩を悪者扱いするべきではありません。漬物は塩そのものではないのです。塩分の摂りすぎを指摘すべきなのは、スナック菓子やインスタント食品の食べ過ぎの方ではないでしょうか。

 

漬物は保存食です。今のように季節に関係なく野菜を作ることができなかった時代では、厳しい冬場などは野菜を手に入れることができませんでした。そんな時期でも何とか野菜を摂ろうとして考え出されたのが、漬物です。

 

漬物には長い歴史があります。なんと、弥生時代や古墳時代にまでさかのぼるという見解もあります。漬物についての書かれた書物は、早くも奈良・平安時代には存在しています。また、今現在食べられている漬物はほぼすべて、江戸時代には作られていたということも分かっています。漬物は昔から日本に伝えられてきた食べ物の一つといえるでしょう。

 

そんな歴史ある漬物は、野菜を塩に漬け込むことで作られます。漬け込む時間は即席漬けなら2~3時間ですし、たくあん漬けになると長期間を必要とします。時間はいろいろですが、とにかく塩がなければ漬物作りは始まりません。この塩には、味付け以外にもとても大きな役割があります。

 

まずは、野菜を腐敗させる菌が増えないようにしてくれます。その一方で、体に良い影響を与える菌は増やすという働きもしてくれます。また、ご存知の通り、野菜から水分を出させ、柔らかい状態にしてくれます。そうすることで、素材に味がしみやすくなります。塩にはこんなにも大きな役割があるのです。

 

栄養価の高いぬか漬けがおすすめ!

日本で昔から食べられてきた漬物。その中でも最もおすすめなのが、ぬか漬けです。ぬかはビタミン・ミネラルの宝庫です。ぬか漬けにすることで、それらの栄養素が素材の中に入り込むのです。

 

これは一例ですが、キュウリの場合、ぬか漬けにすることで、ビタミンB1は生の状態の5倍に、ビタミンB3は8にもなります。ということは、生でキュウリをかじるよりも、ぬか漬けにして食べたほうがずっと栄養価が高まるということです。

 

ぬかの魅力はそれだけではありません。ぬかには驚くほどの量の乳酸菌が住んでいます。その数何と、ぬか1グラムにつき1億個以上!この乳酸菌が、私たちの腸の調子を整えてくれます。

 

人間の腸には通常、100種類ほどの細菌があり、その数は100兆個以上にものぼると言われています。その細菌の中に腐敗菌というものがあるのですが、その割合が多くなると、腸の中にある食べたものが腐り、異臭を放つ有害物質になります。よく肉を食べる人のおならが臭いと言われるのは、腐敗菌が増えて有害物質ができ、それが臭いを放つからです。

 

そんな腐敗菌を増やさないよう働いてくれるのが、乳酸菌です。乳酸菌は腸内を酸性に保ち、酸に弱い腐敗菌の力を抑えることができます。さらに言うと、乳酸菌を体の中に取り入れるだけでなく、取り入れた乳酸菌を腸内でさらに増やすともっと効果的です。

 

この、乳酸菌をさらに増やすという視点で、ぬか漬けはとても有効です。なぜなら、乳酸菌は食物繊維が大好きだからです。ぬか漬けは野菜であり食物繊維をたっぷり含んでいますから、効果的に腸内で乳酸菌を増やすことができるというわけです。

 

さて、そんなぬか漬けですが、手作りしようとするとなかなか手間がかかるもの。そんな時は市販品を利用すればよいでしょう。その時の注意としては、食品添加物には何が使われているかということをチェックすることです。

 

市販品であれば、添加物無添加というものを探すのは困難かもしれませんが、添加物ができるだけ少ない物を選びましょう。添加物が少量であれば、ぬか漬けの持つ効果を優先し、市販品でも食べることをおすすめします。

 

市販のぬか漬けを食べたら塩分の摂りすぎになるのでは・・・と心配されるかもしれませんが、ぬか漬けだけでなく、漬物はそもそも少しの量をご飯のお供に食べるものですから、それほど心配する必要はないでしょう。漬物好きで、漬物だけをパクパク食べるという人は注意が必要かと思いますが、基本的に漬物は、ご飯をたくさん食べるためのおかずだと思ってください。

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